ヤクルト・村上 神業Wメモリアルアーチ!球団通算4500勝&父・公弥さん51歳誕生日

[ 2024年4月30日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト9―0巨人 ( 2024年4月29日    東京D )

<巨・ヤ>4回、村上はソロを放つ(撮影・西川祐介)
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 ヤクルトの村上宗隆内野手(24)が29日、巨人戦で先制打&5号ソロを放つなど3安打2打点をマーク。主砲の活躍で勢いに乗ったチームは16安打9得点で大勝し、節目の球団通算4500勝に達した。22年に令和初の3冠王に輝くなど現在のチームの看板を背負う男は、父・公弥(きみや)さんの51歳の誕生日に活躍。ここまで借金4で5位タイに低迷しているが、「村神様」が5月反攻を予感させた。

 やはり、村上のバットには「神」が宿っている。ゴールデンウイーク期間で詰めかけた4万1487人のファンの前でのメモリアル弾。7―0の4回。思いを乗せた打球の行方を見つめながら、「確信歩き」を披露した。

 「タイミングが早いので立ち遅れないように。しっかりいいスイングで、いいホームランだった」。カウント2―1からの4球目、外角の139キロカットボールを完璧に捉えた。打球は右中間席上段へ。昨年は13打数無安打、9三振だった左腕グリフィンを、豪快な5号ソロでKOした。初回は1死一、三塁から中前へ決勝の先制打。7回も中前打で3安打2打点と活躍した。

 大勝劇の主役となった村上は試合中に広報から配信される本塁打コメントに粋な談話を寄せた。「お父さん、誕生日おめでとう」――。この日は父・公弥さんの51歳の誕生日。19年にもバースデー弾を放っている孝行息子は、毎年、誕生日には連絡し「おめでとう」という言葉とともに感謝の思いを伝えている。5年ぶりに一発を贈り「喜んでもらえると思う」と感慨を込めた。

 この日、ゴールデンウイークの思い出については「特に…。野球しかしてないです」と言ったが、6歳時、この東京ドームに最高の思い出がある。06年4月30日に家族で巨人―中日戦を観戦。巨人・二岡が2打席連続満塁本塁打を放った。当時は松井秀喜、高橋由伸が憧れで、巨人のユニホーム姿で一塁ベンチ上の席で大興奮していた。あれから18年。今度は自らのバットで大型連休中の子供たちに最高の思い出を届けた。

 まだまだ借金生活は続くが、上昇機運に転じるような勝利。しかも1950年に国鉄スワローズとして創設以来、これが球団通算4500勝目だ。高津監督も「本当ですか。ピンとこないですね」と驚いたが、球団創設時の本拠地は後楽園。同じ敷地に建てられた東京ドームで節目の白星を積み上げた。

 村上は言葉に力を込める。「球団として大きな数字。今後もヤクルト球団として一勝でも多く積み重ねていければ」。父の誕生日と球団の節目を同時に飾る一発。特別な日に「村神様」が降臨した。(秋村 誠人)

 ≪64年から本拠神宮に≫ヤクルトは国鉄スワローズとして50年に発足し、同3月11日広島戦(平和台)で初勝利。当初は後楽園が本拠で64年から神宮移転。翌65年にサンケイスワローズとなると、その後アトムズに改称。70年からヤクルトとなり78年に初優勝を飾るなどリーグV9度(日本一6度)。主な選手は国鉄時代は通算400勝の金田正一(国鉄で353勝)、ヤクルトでは2173安打の若松勉らがいる。なお4500勝のうち国鉄、サンケイ時代に1109勝、ヤクルトで3391勝。監督別では野村克也の628勝が最多となっている。

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