ソフトバンク・柳田 「超ミラクル」サヨナラ弾! 同一カード3試合連続は球団史上初「奇跡が起きた」

[ 2024年4月30日 05:00 ]

パ・リーグ   ソフトバンク5―4西武 ( 2024年4月29日    みずほペイペイD )

<ソ・西>お立ち台でポーズを決めるソフトバンク・柳田 (撮影・成瀬 徹)
Photo By スポニチ

 ギータが奇跡を起こした――。ソフトバンク・柳田悠岐外野手(35)が29日の西武戦で、2点を追う9回2死一、二塁から逆転サヨナラ2号3ランを放った。球団では南海時代の1961年以来63年ぶり2度目となる3試合連続サヨナラ勝ちで、同一カードでは史上初の快挙となった。チームは89年の球団移転以降通算2500勝のメモリアル白星を飾り、22年9月以来2年ぶりの6連勝で貯金を最多11とした。

 映画の感動超大作のようなハッピーエンドだった。またもやアメイジングな展開で6連勝が飛び込んできた。極限の集中力で数々のミラクルを起こしてきた柳田でもお立ち台で興奮が止まらない。

 「奇跡が起きた。(観客は)奇跡を目の当たりにしてうらやましいです。(6連勝は)エグいです。野球をやっとってよかった。逆転サヨナラなんで、久々に幸せな気持ち」

 自身6度目の逆転サヨナラ弾となる3ランは、2―4の9回2死一、二塁に生まれる。7試合ぶり今季3度目のDHだった柳田の、5打席目。1ボールから西武の守護神アブレイユの内寄り直球を「つなぐ意識で軽打」すると芯に当たった。「(バットの)芯付近やったんで、ワンチャン、入るかな。入ってくれ」。願いながら走ると飛球は右中間ホームランテラス席に吸い込まれた。仲間たちが手荒く迎えてくれた。

 前日28日の同カードは、延長12回2死満塁の打席で相手の捕逸で三走・緒方が生還する劇的な幕切れ。それだけ威圧感を与えたと言える。今季は山川の加入で軽打も意識するが、練習では「自分にむちを打っている」とフルスイングを欠かさない。疲労がたまり「全然、ご飯が食べられない」と笑うが、「練習をいい状態で、たくさんさせてもらえているので。コーチ陣に尻を叩いてもらっているおかげ」と言った。その温厚で誠実な人柄が、チームへ白星を呼び込む力となっている。

 チームの3試合連続サヨナラ勝ちは前身の南海時代の61年以来63年ぶり2度目だが、同一カードでは球団初の快挙となった。さらに89年の福岡移転後の球団通算2500勝。節目の勝利で千両役者ぶりを発揮したが「積み上げてきた先輩方の数字。また1勝、1勝ずつ増やしていきたい」と謙虚に前を向く。

 連日、叫びすぎた小久保監督の声は試合後、かすれていた。「本塁打を期待できる打者のサヨナラ。映画でも、くさすぎるような展開」と笑った。きょうからの楽天2連戦もドラマは続きそうだ。

 貯金は今季最多を更新する11。連勝続きの“黄金週間”となるのか――。期待を背負う柳田は「ミラクルが続いている。いい流れが来てますので野球を見て、ばか騒ぎしてください」とスタンドへ呼びかけた。この頼れる男が、大型連休を盛り上げてくれそうだ。(井上 満夫)

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2024年4月30日のニュース