「地元の仲間と甲子園に」阿南光・吉岡 中学時代からコンビの捕手・井坂を説得し聖地に

[ 2024年3月20日 06:15 ]

第96回選抜高校野球大会第2日第1試合   阿南光11―4豊川 ( 2024年3月19日    甲子園 )

<豊川・阿南光>5回、豊川・山田を投直に仕留める阿南光・吉岡(撮影・平嶋 理子)
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 【記者フリートーク】阿南光の吉岡が中2の頃、母の絵美さんにポツリとつぶやいた。「もう野球やめようかな…」。当時、腰椎分離症を発症し、医師から約半年間安静にするよう告げられていた。大好きな野球から離れる日々を二度と繰り返さないようにと腰回りの強化に励んだ時間は、現在85キロとたくましい体の土台となった。

 故障から復帰すると中3時に全国大会優勝。県外の有名私学からの勧誘もある中、家族に「地元の仲間と甲子園に行きたい」と阿南市に残った。中学時代から女房役で県外進学を検討していた井坂には「それは違うやろ。一緒にやろうよ」と説得し、聖地を狙える選手がそろった。

 エースだった昨夏の徳島大会は準決勝敗退。帰宅後も「先輩を甲子園に連れて行きたかった」と涙を流し続けた。中学で野球引退を踏みとどまり、高校入学後に味わった敗北を糧に、愛する地元の人たちを笑顔にした。(アマ野球担当・河合 洋介)

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