【26日ドラフト会議】菊地選手 セ・リーグ6球団イチ押し補強ポイント

[ 2023年10月26日 05:30 ]

菊地選手
Photo By スポニチ

 26日に行われるドラフト会議。直前特集の最終回となる第3弾は昨年に続く「おすすめ選手はこれだ!」だ。フリーライターの菊地選手(41)が、セ・リーグ6球団の補強ポイントを分析し、全国を駆け回って吟味したドラフト候補から球団別の獲得すべき選手を紹介。また、菊地選手はニッポン放送のドラフト中継でも解説を務める。

 【阪神 桐蔭横浜大・古謝樹投手】≪伊藤将と似たタイプの好投手≫大学生投手の1位指名が有力だが、阪神向きの素材として推したいのは古謝樹(桐蔭横浜大)。ボールの出どころが見づらく、球持ちがいい伊藤将司と似たメカニズム。生きた手本が身近にいる環境は、古謝の潜在能力を最大限に引き出すはずだ。野手陣は20歳前後の右打ち内野手や俊足型の外野手が手薄。土のグラウンドを本拠地にしているだけに、守備力が高い遊撃手の山田脩也(仙台育英)は需要とマッチする。俊足外野手なら武田陸玖(山形中央)が2位までに残っていれば、迷わず指名を。天才的な対応力の持ち主で、近本光司の後釜を担えるはず。

 【広島 星稜・武内涼太投手】≪20歳前後で右の強打者獲得を≫すでに常広羽也斗(青学大)の1位指名を公表。即戦力と見られがちの常広だが、現状は潜在能力の半分ほどしか発揮できていない。再現性を高められたら、侍ジャパンクラスの投手として君臨するはずだ。野手陣は20歳前後の年代で右の強打者が不足しており、必ず確保しておきたい。武内涼太(星稜)、仲田侑仁(沖縄尚学)は癖のないスイングができ、立派な体格の持ち主で広島向きの素材か。二遊間でも百崎蒼生(東海大熊本星翔)、辻本倫太郎(仙台大)、津田啓史(三菱重工East)あたりの鍛えがいのある人材を中位から下位で狙うべきだ。

 【DeNA 国学院大・武内夏暉投手】≪先発タイプの即戦力腕ほしい≫今永昇太、バウアーと先発陣の柱が2人も抜ける可能性があり、1位は先発タイプの即戦力投手がほしい。競合する武内夏暉(国学院大)で攻めるか、横浜出身の逸材・古謝樹(桐蔭横浜大)を狙うか、それとも。補強ポイントは投手陣だけではない。内外野とも20歳前後の右打者がほぼ皆無で、期待された若手も伸び悩んでいるのは不安材料。森田大翔(履正社)、明瀬諒介(鹿児島城西)といった右の強打者をマークしたい。停滞が続く森敬斗の尻を叩く存在として、辻本倫太郎(仙台大)や石上泰輝(東洋大)のようなしぶとい遊撃手もオススメだ。

 【巨人 名城大・松本凌人投手】≪手薄な救援陣を埋める変則腕≫現有戦力には有望な若手が多く、阿部慎之助監督がどんなチームをつくり上げるのか希望が膨らむ。1位指名は西舘勇陽(中大)が最有力。プロで長いイニングを投げるには速球でファウルを奪えるかが鍵になりそうだ。手薄なリリーフ陣には横手から切れ味抜群のボールを投げ込む松本凌人(名城大)、大卒4年目ながら球威のある速球と落ちる決め球がある前田敬太(日本通運)を推薦したい。野手は中途半端なバランス型では埋没するため、身体能力が高い田中大聖(太成学院大)、東門寿哉(日本文理大)といった外野手を育成してはどうか。

 【ヤクルト 大阪桐蔭・前田悠伍投手】≪オリックス宮城のような成長曲線期待≫リーグ連覇から一転、5位と低迷した今季。1位は即戦力投手を確保したいが、武内夏暉(国学院大)の重複は避けられない状況。そこで近未来のエースになりうる前田悠伍(大阪桐蔭)を一本釣りしてはどうか。高校生とはいえ宮城大弥(オリックス)のように早く1軍戦力になれる逸材で、ウエーバー順が3番となる2位でも有力な投手は残っているはずだ。20歳前後の野手が不足している事情もあり、山田哲人と打撃フォームが似ている中沢恒貴(八戸学院光星)、近未来のリードオフマン候補である武田陸玖(山形中央)あたりを指名候補に入れたい。

 【中日 青学大・下村海翔投手】≪2位で残っていれば即指名を≫ドラフト前日に度会隆輝(ENEOS)の1位指名を公表。陽のオーラを発散する選手だけに、チームの暗いムードを変えてくれる期待感が膨らむ。あとはこの個性を認め、のびのびとプレーさせてもらえるか。ウエーバー順が1番目となる2位では下村海翔(青学大)クラスの即戦力投手が残っていれば即指名を。めぼしい存在がいなければ、素材型に振り切って河内康介(聖カタリナ学園)を指名するのも面白い。快速球には可能性しかない。中位以降でも大卒5年目ながら旬を迎える左腕・森田駿哉(Honda鈴鹿)の指名で、即戦力を補えるはず。

 ◇菊地選手(きくちせんしゅ)1982年(昭57)生まれ。本名・菊地高弘。雑誌「野球小僧」「野球太郎」の編集部員を経て、15年4月からフリーライターに。ドラフト候補の取材をメインに活動し、ツイッター(現X)上で「大谷翔平」とツイートした最初の人物(10年10月8日)。19年3月出版の著書「下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル」は、15日から始まったTBS系の日曜劇場のドラマ「下剋上球児」の原案に。

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年10月26日のニュース