「よけ方がヘタですみません」阪神・島田 頭部死球含む2死球も神対応に見た、応援したくなる人間性

[ 2023年9月19日 08:00 ]

セ・リーグ   阪神2―3DeNA ( 2023年9月18日    甲子園 )

<神・D>9回、頭部死球を受けた島田を心配そうに見つめる岡田監督(撮影・岸 良祐)
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 【畑野理之の談々畑】最後までベンチにいた。かなり心配したが、阪神・島田海吏が試合後にロッカーまでの階段を自力で上がり、普通に歩いていたのでホッとした。

 「全然、大丈夫です。ホント、何もないです。たんこぶみたいに腫れてもいないですし、少し衝撃は残っていますが大したことないです」。しっかりとした口調で話し、時おり笑顔も見せて、本当に平気なんだとアピールしていた。

 この日は1番・中堅で先発出場。左飛、死球、投直、二ゴロで迎えた8回2死走者無しでの第5打席、エドウィン・エスコバーの初球にセーフティーバントの構えをしたが、153キロの速球がすっぽ抜けて顔面へ一直線に向かってきた。島田の体はマウンドに向かって正対しており、少し頭をもたげたため顔面は避けられたが、ヘルメットのある頭のてっぺんに直撃した。しばらくうずくまったまま動かなかったものの、用意されたタンカには乗らずに歩いてベンチへ。そのまま交代となった。

 試合後すぐに、エスコバーが通訳と謝罪に来たという。

 「申しわけなかったって言いに来たんです。相当心配してくれていましたが、気にしないでほしいって言いました」

 島田は普段から本当に穏やかで、性格も優しい。3回にも大貫晋一の144キロ真っすぐが右太腿に当たっている。自身への2死球には激怒どころか全然カッカしている様子も見せない。それどころか「よけ方がヘタですみません」って返したそうだ。ここで大けがをすればCSファイナルSや日本シリーズ出場も絶望的だったが、幸いに無事でよかったし、遺恨にはしたくないのだそうだ。

 恐怖の瞬間もニコニコしながら説明する。

 「150キロをよけられませんでした。投げた瞬間にもうボールがここら辺(顔面付近)にありました。バスケットボールくらい大きく見えました。顔じゃなくてよかったです」

 せっかくもらったスタメンで盗塁を一つ決めた。中堅守備も無難にこなした。しかし無安打に終わったことを悔いている。もっと結果を残したかったのだと言う時は、しかめっ面になる。「いいところを見せたかったので悔しいです。数字(打率)は上がらないですね。でも最後まで必死に結果を求めていきたい」。ポストシーズンはベンチスタートが濃厚だろうが、応援したくなる選手の一人だ。

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