【甲子園】父が監督の慶応・森林 アルプス席から応援「エンジョイ・ベースボール」の教え体感

[ 2023年8月17日 05:30 ]

第105回全国高校野球選手権記念大会第10日3回戦   慶応6―3広陵 ( 2023年8月16日    甲子園 )

アルプス席で応援する慶応・森林
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 【声援よ君に届け】<慶応・森林賢人>自由に、楽しむ。慶応の強さの源はそこにある。アルプス席で声援を送る森林賢人外野手(3年)も、その強さを体感してきた一人。グラウンドの仲間たちを頼もしそうに見つめた。

 「ここまで導いてくれたメンバーに感謝したい。あいつらならやってくれるって思っていた」。父はベンチで采配を振る森林貴彦監督。小3から慶応の試合を見てきて「他校と違う。楽しそう。自分が思っている野球ができる」と迷わず進学した。父の掲げる「エンジョイ・ベースボール」で、最高の高校生活を送ってきた。

 グラウンドでは「森林さん」と呼ぶ父の教えは、楽しく、自主性を重んじて「まずやってみる」。練習のメニューは自分たちで提案し、強制はない。試合でも狙い球は選手個々で考え、盗塁も「行けると思ったら、自分からサインを出す」という。昨秋の練習試合で森林は自らサインを出して盗塁に成功。「そういうところが気持ちいい。最高でした」と笑顔で振り返る。

 野球を楽しんでうまくなる。その上で、やってみて駄目だった場合は、なぜ駄目だったか考える。失敗は無駄にしない。「エンジョイ・ベースボール」の奥は深い。野球の指導に没頭する父は「森林が足りない」のフレーズが応援に採用されるほど忙しい。家にいる時間がほとんどないそうで「どんな体力しているのか、休んだりしなくていいのかなって思います」。そんな父の下で、仲間と楽しく野球を続けてたどり着いた夢の甲子園。アルプス席とグラウンドとベンチで、野球をとことん楽しむ慶応の夏はまだ終わらない。(秋村 誠人)

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