1軍に必ず戻る! ソフトB・嶺井「すべての面を見つめ直す」 FA加入も新天地での前半戦は力になれず

[ 2023年8月1日 06:00 ]

結果を残して1軍に戻る決意を示した嶺井

 再び、攻守の戦力として1軍に必ず戻る――。毎週火曜日に掲載中のソフトバンクのファーム情報「筑後鷹」。第39回は今季からFA加入した嶺井博希捕手(32)。球宴前の18日に選手登録を抹消され、現在は筑後ウエスタン・リーグでマスクをかぶる。昨季まで在籍したDeNAで“ハマのシーサー”と呼ばれた守り神は、新たな決意と覚悟を持って再昇格の日に備えている。

 嶺井は2軍の全体練習前に酷暑のタマスタ筑後をジョギングしていた。控え捕手として正妻・甲斐を支え、時には脅かす候補としてDeNAからFA加入も、オールスター前に初めて出場選手登録を抹消された。

 「いやいや、全く戦力になれなかったので。いただいたチャンスも生かすことができなかった。すべての面を見つめ直す機会です」

 昨季はDeNAの捕手最多93試合に出場。いずれもキャリアハイの50安打、30打点を記録した。復調した打撃に加えて経験、実績でも期待されたが新天地でのリーグ前半戦は振るわなかった。

 今季は4月6日オリックス戦で代走から途中出場し、加入後初出場。23試合で17打数3安打1打点、打率・176。スタメンマスクは5試合あったが9打数1安打だった。代打では4打数2安打1打点も、他選手を起用し終えた後の最後の切り札で、出番は少なかった。「本当に、何もしていませんもんね」とさみしげに言った。

 プロ10年目で初めてパ・リーグを体感した。捕手としての配球やリード面では「やっていくうちに、そこまで大差は感じなかったですね」と振り返るが打席では、相手投手の“力”を痛感した。「投手の球の力強さは、感じましたよね。球威で押す投手の数が、セ・リーグより多かったですかね」。やるべきことは分かっている。

 32歳と、ベテランの域に達しているが「走・攻・守」をつくり直す。「体づくりを含めて、技術、すべてにおいて成長したい」。ソフトバンクでの背番号「12」は、高谷裕亮2軍バッテリーコーチの現役時代の番号を自ら選び、引き継いだもの。「高谷さんもそうですし、コーチというコーチ、全員に聞いていきたい」と、貪欲だ。

 7月25日のウエスタン・リーグ阪神戦。18日の2軍降格後、4戦目で“移籍後1号”を放ち、1軍再合流に向けアピール。1軍は同じ日のオリックス戦で連敗を「12」で止めて、再スタートを切った。2軍戦で一発を放った男は言う。「もう、結果を残すしかないですからね。また、お呼びがあるまで、成長します」。嶺井は、ストイックに己と向き合う日々を続けている。(井上 満夫)

 ◇嶺井 博希(みねい・ひろき)1991年(平3)6月4日、沖縄県南城市生まれの32歳。幼稚園年少から小学、玉城中まで軟式野球。沖縄尚学では1年秋から正捕手。2年春に東浜とのバッテリーでセンバツ優勝も3年夏は1回戦敗退。亜大1年時は一塁手で同秋から正捕手で再び東浜の相棒に。4年時に全日本大学野球選手権で準優勝、神宮大会優勝。日米野球日本代表。小、中、高校、大学と、すべてで主将。13年ドラフト3位でDeNA入団、今季からソフトバンク。愛称は「バウさん」。1メートル75、85キロ、右投げ右打ち。

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