阪神投手陣の支えになっている木浪の声かけ 何度も見られる献身的なシーンの効果とは

[ 2023年6月19日 08:00 ]

交流戦   阪神0―9ソフトバンク ( 2023年6月18日    甲子園 )

<神・ソ>5回、才木(右)へ声をかける木浪(撮影・須田 麻祐子)
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 【畑野理之の談々畑】遊撃を守る阪神・木浪聖也に注目していたら、いつも通りの献身的なシーンが何度も見られた。阪神に限らず、どこのチームでも多くの内野手は投手に声をかけているが、木浪は特に目立つ。

 0―0の5回、先発の才木浩人が1死から中村晃に四球を与えると、スーッとマウンドへ行ってグラブを口に当てて話しかけていた。ポジショニングやサインの確認かもしれないし、間を取ったのかもしれない。いや、そうじゃなく、4つも四球を出して珍しく制球に苦しむいつもと違う姿をみて、おそらく落ち着かせたかったのが狙いだと思う。

 才木は続く牧原大成に右前打されたが近藤健介を空振り三振、柳田悠岐を右飛に打ち取り無失点で切り抜けた。5回ですでに102球目だった。4歳年上の木浪の言葉があったから最後の力を振り絞れたとするのは大げさだろうか…。

 7回も加治屋蓮が1死三塁から中村晃に四球を出したところで、真っ先に足を運んでいる。ここは阪神がタイムをとってベンチから安藤優也投手コーチがマウンドにきて、全内野手も集まった。囲みが解ける時、木浪は加治屋の腰付近をグラブでチョンチョンとして遊撃に戻っている。

 2日前の16日のソフトバンク戦は、こんなシーンがあった。来日初先発のジェレミー・ビーズリーが初回、先頭の中村晃にストレートの四球。すると木浪がマウンドへ。試合前に藤本亨也通訳から「絶対に緊張して力が入るから声をかけにいってやってくださいね」とお願いされていたためだ。「たった4球投げたところで、みんなにも何を言いに行くことがあるんだと言われましたけど(笑い)。ボクは英語が分からないので、英単語を教えてもらっていたのですが、すっかり忘れてしまったので“リラックス”とか“ダイジョウブ”とか言ったら“OK、OK”って(笑い)。ビーズリーはすごく明るくて、ふだんからもお互いにコミュニケーションをとってるので。何とかなったかは分からないですけど(笑い)」。ビーズリーは初回こそ1失点したが、2回以降は効果があって冷静になったのか、4回1失点で試合をつくって逆転勝利に貢献している。

 交流戦の最終戦は6回まで0―0も、終盤は息切れして0―9で敗戦。チームは少しお疲れモードだが、19日から4日間、ブレークに入る。

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