ロッテ・朗希 亡き父が愛した“裏メニュー”でWBC優勝祝う

[ 2023年6月19日 05:35 ]

昨年末に四海桜を訪れたロッテ・佐々木朗(左)と店主の長田さん(長田さん提供)
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 ロッテの佐々木朗は11年3月11日の東日本大震災で父・功太さん(享年37)を亡くした。今年3月11日のWBC1次ラウンドのチェコ戦で投げた21歳は父の日もマウンドに上がった。

 昨年の大みそか。岩手県陸前高田市に帰省した佐々木朗は中華料理店「四海楼」を訪れ、いつものように「麻婆(マーボー)担々麺」を注文した。父が好きだった裏メニューが元になって開発されたものだ。店主の長田正広さん(57)と功太さんは親交が深く、長田さんは「気が利くやつだから。(旅行の)帰りなんか、俺が飲みたそうな顔してると、何も言わねえのにレモンサワーとつまみを買ってきてさ」と人柄を振り返る。

 飲み会でよく食べたのが麻婆豆腐を上にかけた麻婆担々鍋。大みそかに佐々木家へ長田さんが差し入れ、年越しの定番メニューにもなり、「シメ」に中華麺を入れるのがお決まりの流れ。これが麻婆担々麺の元になった。

 父の生前の姿が浮かぶ味。長田さんが「今度はWBCもあるし、完全試合のお祝いもしてねえから。今度帰ってきたらお祝いしてやっかんな」と言うと「ありがとうございます」と笑顔で応えた。WBCでは世界一に貢献。今年のオフも、父の愛した味に舌鼓を打つ。(田中 健人)

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