テレビのニュースで知った電撃トレード 夕食中の水上善雄氏は箸を止め、球団に電話を入れて…

[ 2023年5月30日 19:04 ]

水上善雄氏(写真は日本ハムコーチ時代)
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 元ロッテなどの人気選手で、日本ハム、ソフトバンクでコーチを務め、現在は橘学苑高野球部監督の水上善雄氏(65)がYouTubeチャンネル「よしひこチャンネル」にゲスト出演。ロッテから広島へトレードされた時のエピソードを語った。

 球界に衝撃が走ったのは1989年オフ。広島の高橋慶彦内野手、白武佳久投手、杉本正志投手、ロッテの水上善雄内野手、高沢秀昭外野手が交換要員となった「3対2」の大型トレードが決まった。ホスト役の高橋氏を筆頭に、当時の「主役」が顔を合わせた今回のトーク。「ミズ(水上氏)には、迷惑をかけてるわけよ。すみませんでした」と高橋氏が頭を下げると、水上氏は「トレード? 全然、迷惑じゃないですよ」と恐縮した。

 高橋氏はその頃、チームリーダーとして選手の権利を主張し、球団と対立。放出される形になったための「謝罪」だった。ただ、水上氏の矛先は、別の方向に向いていたのだ。

 「(その日)家族で夕飯をとってたんですよ。そこで夕方のニュースが流れてきました。広島の高橋慶彦さんと何人か、そしてロッテの高沢と私。トレードが決まりましたってあって、箸が止まりました」

 当時の様子を再現する水上氏のジェスチャーに、高橋氏は大爆笑。全く寝耳に水だった水上氏はすぐに受話器を取り、事情を聴くために球団へ電話を入れた。

 「これ聞いてないんで。申し訳ないですけど、だったら(野球を)辞めますって言ったんです」

 引退を口走るほど、水上氏にはショックな出来事だった。「決意」を告げ、受話器を置くと、すぐに呼び出し音が…。数日後に球団幹部と会う約束をし、説得され、最後は翻意して、トレードを受け入れた。

 「これまでロッテでこれだけやってきたのに、ちょっと酷いんじゃないですかって話で。自分のいいたいことは言うだけ言って。それでも、自分は野球選手だったし、野球は好きだったので、最後には分かりましたってことで」

 かつての心境を明かした水上氏。「だから、慶彦さんのせいってことは…」と言いかけると、高橋氏がすかさず「いや、オレのせいやろ」と続け、「そうですね」と返して、再び笑いを誘っていた。

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