WBC効果!メキシコで空前の野球ブーム 最高のタイミング、今週末に首都で4年ぶりのMLB公式戦

[ 2023年4月28日 10:27 ]

メキシコシティのアルフレド・アープ・エルー球場(AP)
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 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でメキシコ代表は1次ラウンドで米国に11-5の大勝、準決勝に進出し、侍ジャパンと5-6の激闘を繰り広げた。その余波で今、メキシコは空前の野球ブームになっている。AP通信が27日(日本時間28日)に報じている。

 野球メキシカンリーグのホラシオ・デラベガ代表は「WBCの2週間は、これまでになかったほど国中が野球の話題でもちきりになった。明らかにあの快進撃が野球人気を盛り上げている。おかげで過去に10%から20%しか入らなかった我々のオープン戦も満員になった。メキシコでこれまでなかったほど野球を見たいという欲求が高まっている」と語る。先日のメキシカンリーグの開幕シリーズも盛況だった。

 良いタイミングでこの週末29日(日本時間30日)、30日(同1日)にMLBパドレスとジャイアンツの公式戦が首都メキシコシティのアルフレド・アープ・エルー球場で開催される。30日はダルビッシュ有が先発の予定だ。メキシコの関係者の中にはいつかはカナダのようにMLBのフランチャイズを置ければという願いがある。しかしながらロブ・マンフレッドコミッショナーは先日、それは近い将来には起こらないと語った。「メキシコに新設球団を置くことをまだ現実的に考えたことがない。問題は施設だ。今週末にプレーする球場も大きさがメジャー球団の本拠地としては十分ではない。加えて我々のシーズンは長い。長期間、メジャーの選手をメキシコに住まわせることについては選手組合と交渉しなければならない」と説明する。今回使用されるアルフレド・アープ・エルー球場は総工費1億5千万ドルで2019年に開場。ただし2万人収容と小さい。もっともマンフレッドコミッショナーはメキシコを重要な市場と考え、北米の日本のようにしたい考えだ。

 日本のように活気ある国内リーグがあるし、フリオ・ウリアス、ホセ・ウルキーディのような同国出身の選手がメジャーに来てスターになっている。日本にはMLBの試合の視聴者が多いが、メキシコでもそうなることで、多額の収益を得たい。メキシコで初めてMLBの公式戦が行われたのは1996年の8月で、同国出身のスーパースター、フェルナンド・バレンズエラがパドレスの選手として登場、メッツ相手に投げた。18年にはパドレス対ドジャース、19年にはレッズ対カージナルスとアストロズ対エンゼルスが開催された。20年も予定されていたが、新型コロナでキャンセルされた。この週末、4年ぶりの開催となるが、空前の野球ブームで、完ぺきなタイミング。MLB機構は少なくとも26年まで公式戦開催を続け、特に子供と女性ファンを増やしたい考えだ。

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