侍ジャパン「紫綬褒章」 WBC06、09年に続き3度目 栗山監督、スポーツが持つ力の伝承を強調

[ 2023年4月28日 05:00 ]

WBC優勝トロフィーを抱え歓喜の大谷(中央)ら侍ジャパンナイン
Photo By スポニチ

 3月の第5回WBCで09年の第2回大会以来14年ぶり3度目の世界一に輝いた侍ジャパンが、芸術や学問、スポーツ分野での功績を称える「紫綬褒章」を受章することが決まった。あす29日に発令される。06、09年の同大会連覇に続く3度目の受章。指揮を執った栗山英樹監督(62)は、スポーツが持つ力を未来へつなげていく必要性を強く訴えた。

 WBC初代王者となった06年、連覇達成の09年に続き3度目となる侍ジャパンの紫綬褒章。朗報を受けた栗山監督は「スタッフ、選手が命を削り、全てを懸けて戦った思いが国民の皆さんに伝わった。スポーツ界以外の方からも“本当によかった”と言ってもらえる褒章だと捉えているのでよかった」と語った。

 準決勝はメキシコに劇的な逆転サヨナラ勝ちを決め、決勝はスター軍団の米国を撃破。栗山監督とは日本ハム時代に師弟関係だった大谷(エンゼルス)が二刀流でフル回転してMVPに輝いた。全7試合で視聴率40%超えを記録。日本中が熱狂したが、栗山監督は昨年11~12月に行われたサッカーW杯からの流れを強調。日本代表がドイツ、スペインを破るなどベスト16に進出し「その勢いがそのまま直結し、やらせてもらった」と感謝した。

 強く願うのは野球界の恒久的な発展。今回の世界一で「スポーツの持つものの大きさを改めて感じる」と再認識し「今回の盛り上がりをいかに生かしていくか、みんなで考えていかないといけない」と表情を引き締める。

 この“熱”を一過性で終わらせることなく、未来につなげる。チーム解散時、栗山監督は各選手に「野球の伝道師」となることを希望した。今回の受章は「次代への伝承」の大きなきっかけとなる。(秋村 誠人)

 ▽紫綬褒章 6つある(紅・緑・黄・紫・藍・紺)褒章の一つで、1955年(昭30)制定。学術や芸術、スポーツの分野で発明、改良、創作に関して著しい功績を残したと認められた人物に、春と秋の年2回、天皇陛下から授与される。デザインは「褒章」の2文字を桜の花で飾った円形のメダルで、綬(=ひも)の色がそれぞれの褒章によって異なる。

 ≪新聞にも“侍効果”≫日本新聞協会は新聞、テレビ、インターネットなどメディアへの接触状況を調べる「新聞オーディエンス調査365」の3月分の結果を公表した。新聞が最も読まれたのは23日。侍ジャパンのWBC優勝の記事に高い関心が寄せられた。2番目の22日もWBC関連。午前の優勝決定を報じたニュースサイトや夕刊記事のほか、準決勝の記事が注目された。調査はインターネットを通じ、月1回以上新聞を読んでいる18~69歳の男女300人を対象に毎日、普段と比べメディアによく接したかどうかを尋ねた。

続きを表示

この記事のフォト

2023年4月28日のニュース