祝阪神5500勝!!川藤OB会長「血と汗と涙の結晶」「明日の一勝に全力で」

[ 2022年7月23日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神6―3DeNA ( 2022年7月22日    甲子園 )

阪神・川藤OB会長

 阪神の川藤幸三OB会長(73)が球団通算5500勝を達成した22日、スポニチ本紙に祝福メッセージを寄せた。現役時代は「浪速の春団治」の愛称で代打の切り札として活躍し、球団唯一の日本一となった1985年は精神的支柱としてもチームを支えた。現在も球場に足しげく通い、選手たちを直接激励する名物OB会長。猛虎の歴史を知る「生き字引」が、猛虎愛を語った。

 「5500勝とは?」と問われると、それは「歴史」だろう。言葉にするのはたやすい。しかしタイガースOBの一人として、この偉大な数字を簡単に口にすることはできない。

 数多くの先人、先輩方が築いてきた勝利の数々。我々の仲間や、そして後輩たちの血と汗と涙の結晶だ。これまでどれだけの選手たちが力を合わせ、目の前の一勝を目指してきたか。本当に尊いものであり「一勝」の重みを心から感じる。

 優勝を決めた勝利、ファンの記憶に残る勝利、選手生命を懸けてつかんだ勝利…。人それぞれ、いろんな一勝があるだろう。私も現役、コーチ時代と少しは勝利に関わらせていただいた一人だ。昔は「数多くの勝ちを挙げられたのは、実力あるスター選手の力だ」と思った時期もあった。しかし、それは大きな間違いだった。

 「一勝だけでも」ともがき、苦しみながらも志半ばでユニホームを脱いだ選手も数多くいた。歓喜の輪の中に一度も入れない選手たちもいた。この5500勝は命を懸けて戦った先人たち、夢破れた選手たち、美酒を味わうことなく天国に旅立ったフロントマン、そして裏方さんやファンの方々の思いがつまった勝利の積み重ねだ。そこにはスターや補欠、ファンの区別はない。それぞれの5500勝が、今ここにある。

 古いと言われるかもしれないが、野球を生業(なりわい)とするプロ野球選手としては「生きるがために勝つ」という考えだった。時代は流れ、選手たちの考え方は変わっても、決して変わらないものもあり、変わってはいけないものもある。タイガースの一員として、明日の一勝に全力で挑む姿は変わってはいけない。その姿を、子供たちが見ているのだから。

 今でもミスタータイガース・藤村富美男さんに言われた言葉は忘れない。「おまえがタイガースの歴史を教えていけ!」。この言葉に報いることが務めだと思っている。今のタイガースを築いてきた先輩方の思いや歴史を後世に語り継ぎ、後輩へとつなぐ。その先にタイガースの未来がある。(阪神タイガースOB会長)

 ≪巨人、ソフトBに続く3球団目≫阪神が22日のDeNA戦(甲子園)で球団通算5500勝を達成。巨人、ソフトバンクに続く史上3球団目。初勝利は1リーグ時代の1936年(昭11)4月29日、甲子園での金鯱戦。通算成績は10996試合5500勝5159敗337分けの勝率・516。また矢野監督は監督通算250勝を達成。阪神監督の250勝以上は和田豊の273勝(12~15年)以来10人目。

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2022年7月23日のニュース