東京六大学 早慶戦最終カード固定後、史上初の無敗対決 早大・早川「抑えたい」慶大・木沢「打線信じて」

[ 2020年11月7日 05:30 ]

早大の早川
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 特別な秋に歴史的一戦だ!東京六大学秋季リーグ戦は7日から早慶戦が行われる。早慶戦が最終カードに固定された1935年春以降、両校ともに無敗で臨むのは史上初。リーグ優勝を懸け、第1戦は今秋ドラフトで楽天から1位指名を受けた早大・早川隆久投手(4年)とヤクルト1位の慶大・木沢尚文投手(4年)がそれぞれ先発予定だ。

 ともに無敗で優勝が懸かるという以上に歴史的意義が深い。両校無敗の早慶戦は、明大が渡米のため不在で5校で行われた1929年春の最終カード、さらに同年秋もリーグ戦中盤で対戦しているが、現在のように早慶戦が最終カードに固定された35年春以降では史上初のケースとなる。

 慶大は決戦を翌日に控え、横浜市内の同大で練習を終えた。堀井哲也監督は木沢の先発を明言した上で「高まるものがある。優勝が懸かるし、お互い胴上げは見たくないし…でもあえて特別感は出さずにいつも通りやりたい」と冷静だ。木沢は「優勝して終わりたい。早川君はやはり良い投手なので何点も取るのは不可能だが僕はとにかく打線を信じて粘って粘って。そうすれば必ずチャンスは来る」と表情を引き締めた。

 一方の早大も静かに前日の最終調整を終えた。先発の大役を担う早川は「相手も対策をしてくると思うけど、しっかり駆け引きして抑えたい」と意気込む。小宮山悟監督も「本当にどっちが強いかを決める試合。最後に勝って終わったんだと学生に良い思いをさせてあげたい」と力を込めた。

 今年は60年秋の「伝説の早慶6連戦」から60年。両校を指揮した早大・石井連蔵氏、慶大・前田祐吉氏がともに野球殿堂入りを果たした。コロナ禍の影響で両校とも優勝した場合のパレードは実施せず、関係者のみの優勝報告会をオンラインで中継する予定。未知のウイルスに誰もが戸惑い、苦しんだが、特別な秋の締めくくりにふさわしい大一番。神宮の杜が熱く燃える。(松井 いつき)

 ○…今季はコロナ禍の影響で例年の2戦先勝方式ではなく2試合総当たりのポイント制を採用。勝ち1、引き分け0.5で最多チームが優勝となる。現在、慶大は6勝0敗2分けの7ポイントで首位。早大は5勝0敗3分けの6.5ポイントで3位。慶大は1勝するか2分けで優勝。早大は連勝か1勝1分けが条件で1敗もできない状況だ。

 ▽60年秋の早慶6連戦 1960年東京六大学秋季リーグ戦は慶大が勝ち点4、早大が勝ち点3で、優勝を懸けて最終節の早慶戦で激突。1勝1敗で迎えた第3戦に早大が勝利し、勝ち点、勝率ともに並び優勝決定戦にもつれた。一発勝負の決定戦は延長11回引き分け、2日後の5連戦目も延長11回引き分け。翌日の6連戦目で早大が勝利し優勝。

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