日本ハム・万波 先制打&3打点の大暴れ 高卒2年目の大砲候補 初の開幕1軍を猛アピール

[ 2020年2月10日 05:30 ]

練習試合   日本ハム8―4阪神 ( 2020年2月9日    宜野座 )

<阪・日>5回無死一、二塁、先制の適時打を放つ万波(撮影・高橋茂夫)
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 日本ハムの万波中正外野手(19)が9日、今季初の対外試合となった阪神との練習試合に「8番・中堅」で出場し、先制打を含む2安打3打点と大活躍して勝利に貢献した。横浜高出身の高卒2年目。4番に抜てきされた8日の紅白戦では2打数無安打に終わったが、実戦2試合目で早くも存在感を発揮した。未来の大砲候補が自身初の開幕1軍に向け、猛アピールした。

 体のぎりぎりまで引きつけても、差し込まれない。鋭いスイングと並外れたパワー。万波はいずれも145キロの直球をライナーで打ち返し、2本の適時打を放った。「結果が出てホッとしている。毎日が背水の陣。崖のすれすれに立っている気持ちで過ごしているので」。初の1軍キャンプは最年少で唯一の10代。いつ2軍落ちするかもしれない危機感を持って臨んだ初の対外試合で輝きを放った。

 早仕掛けが実った。「正直、追い込まれると打つ自信がない」と変化球への対応が課題の大砲はファーストストライクの直球を仕留めた。先制打の5回は無死一、二塁。制球に苦しむ小野が四球直後でストライクを取りにきた初球を逃さず、中前へ。6回無死一、三塁でも小野の1ボールからの2球目を捉え、左中間に2点二塁打を放った。1年目の昨季は1軍で4打数無安打2三振。確実性の向上を目指し「直球を1球で仕留めるのが大きいテーマ。最初のスイングで安打になったのは良かった」と話した。

 今キャンプでは小笠原ヘッドコーチ兼打撃コーチとともに打撃強化中だ。万波が小学2年の時に東京ドームで観戦した試合で、当時巨人の小笠原コーチが一発を放ち、初めて買ったサインボールも同コーチのものだった。運命の巡り合わせで指導者と選手の立場となった今季。同コーチが持ち込んだ重さ1・8キロの「こん棒バット」を振り込んで鍛えた腕力を見せつけた。

 「(小笠原コーチは)フルスイングした上で長打と打率を残す技術があった」と2人の融合に期待する栗山監督も「当たらないからといって当てにいくのは駄目。当たらないけどもっと振らないと、という覚悟は感じられた」とスケールの大きさを求めている。同じ高卒で3年目の清宮は右肘手術明けで2軍調整中。「やるしかない」と初の開幕1軍を狙うスター候補生が、成長の跡を見せた。 (東尾 洋樹)
 ◆万波 中正(まんなみ・ちゅうせい)2000年(平12)4月7日生まれ、東京都出身の19歳。コンゴ出身の父を持ち、小2から野球を始める。横浜高では1年秋から右翼のレギュラー。3年連続で夏の甲子園に出場し、3年時は3回戦で吉田輝擁する金足農に敗れた。高校通算40本塁打。18年ドラフト4位で日本ハム入団。1年目の昨季はイースタン・リーグでチーム最多の14本塁打。1メートル90、90キロ。右投げ右打ち。

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