VAAMプレゼンツ マラソンサミット2017【1】金哲彦氏講演

「市民マラソンの現状について」と題した講演を行った金哲彦氏

 「VAAMプレゼンツ第3回マラソンサミットinJAPAN2017」(スポニチ主催)が東京都中央区の明治ホールディングス株式会社講堂で開催され、全国のマラソン、ロードレース大会主催者ら約100人が参加。スポーツツーリズムや大会を取り巻く状況、箱根駅伝出場大学の指導者による座談会などが行われた。

 同サミットでは、NPO法人ニッポンランナーズ理事長の金哲彦氏(53)が「市民マラソンの現状について」と題した講演を行った。金氏は現状について、東京マラソンが始まった2007年を境に関心が高まり、大会の数、フルマラソン完走者も右肩上がりの状況にあることを指摘。15年の日本のマラソン完走者は延べ57・9万人で、米国の53・2万人を上回って世界一であるという統計が示された。

 走り出すきっかけについては、体を動かしたい、健康のため、ストレス解消といった理由が上位に並ぶ。金氏は「これは昔からそれほど変わっていない」と言い、継続の理由のトップは、「レース出場に向けて」だった。これについて金氏は「エントリーしてモチベーションを高めるのはいいこと。やる気を出したいときは(レースに)“エントリーしてください”といいます。そこから始まりますから」と、継続の“コツ”を語った。

 近年の大会はフルマラソンで大規模大会が増え、ゴールまでの制限時間も緩和されてきている。東京は7時間で、かつては5時間の大会が多かったが、緩くなったことで参加のハードルが低くなったこともランナー増加を後押ししたという。

 そして、現状と課題について、二極化、多様化、安全安心、財政問題の4つに分けて解説した。1つ目の「二極化」については、エントリー受け付け開始直後に出場者枠が埋まってしまう大会、抽選倍率が10倍以上になる大会がある一方で参加者数が減少する大会も出ている。魅力ある大会にするために、大会開催意義の確認、コース設計の見直し、参加者の側に立った運営の徹底を訴えた。

 2つ目の「多様化」は、大会のスタイルがただ走るだけではなく、観光と組み合わせたり、仮装大会、グルメランのようなエンターテインメント化からウルトラマラソン、トレイルランまで、参加者が楽しめるよう工夫が進んでいる。金氏は「飽きさせない工夫として、小規模なファンランや大会に備えて講習会を開いているところもある」と、ランナーがより楽しめるよう“進化”していることを説明した。3つ目の「安全安心」は、AEDや救護所の複数設置、ドクターランナーの伴走など日本の大会は医療体制が充実しており、参加者には心強い備えがされているという。それでも熱中症、心肺停止のような事態は発生するため金氏は「心肺停止の場合は最初の5分が大事」と早期の対応を求めていた。最後の「財政問題」は、成功例として小規模のスポンサーを多く集め、補助金の獲得、自治体首長らによるトップセールスを挙げ「フルマラソンにこだわらない種目の見直しをしてもいい」と身の丈にあった大会づくりの重要性を説いた。

 講演のまとめとして金氏は「最も重要な目的にフォーカスし分りやすくする。何もかもやろうとすると目的がぼやけてしまう。観光推進ならば、大会名に入れてもいい。それが魅力づくりにつながる。大切なのはランナー、運営スタッフ、地域住民、主催者が一体感も持つこと。それがレガシーにもつながる」と締めくくった。

[ 2017年2月28日 ]

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