金哲彦氏に聞く【下】レース当日に役立つエネルギー戦略とは?

レースのエネルギー戦略について語った金哲彦氏

 全国各地で開かれているマラソン大会。トレーニングを積んで本番で走ることとともに大切なのは、ゴールまで走りきれるエネルギー戦略だ。マラソン・駅伝解説やテレビ番組、アドバイザーとして活躍中の金哲彦氏(53=NPO法人ニッポンランナーズ理事長)がレース当日に役立つエネルギー戦略について語った。

 一般的に日々の生活をおくるだけで約2000キロカロリーものエネルギーを消費していて、フルマラソンを完走すれば2000~3000キロカロリーを消費する。つまり、走る日はトータルで約4000~5000キロカロリーを賄わなければならない。だからエネンルギー戦略が必要よなるわけだ。

 ますは、エネルギー源となるグリコーゲンが走るときには大量に必要になる。カーボローディングといって、前日に炭水化物(糖質)を多く含む食事を行い、カラダにエネルギー源をためこむ方法がある。また何時間も走ることになるので、糖質だけのエネルギー源では賄えないため、体脂肪のエネルギーを効率的に使えることもポイントで、体質を“マラソン向き”にしておくことも重要だ。

 金氏によれば「スタート時には、多少体が重く感じてもいい」。その意味は、マラソンというのは前半よりも後半どれだけ頑張れるか、完走を目指すならば最後まで使えるエネルギーを持っていなくてはいけない。

 レース中には給水やエイドステーションで補給できるが、初心者は時間がかかるので、途中柑橘系のクエン酸や梅干しで塩分を補うことを考えてもいい。消化の良くない固形物を取ってしまうと血液の流れが胃に集中して、脚に血流が行かなくなって動きが悪くなるので食べ過ぎは注意したい。

 給水は脱水症状を防ぐためにもちろん重要。体の熱くなった部分、頭や首筋などに水をかけることで思考力の低下を防げるし、疲労した太腿部分を冷やすのも効果的だ。

 レース当日のみならず普段の生活でもジャンクフードは避けるべき。ランニングは負荷の大きい運動だから筋肉も壊れるし内臓にも負担がかかるので、体にいいもの、特にたんぱく質源や野菜を取りたい。金氏によれば「走ると体にいいもの、たんぱく質、アミノ酸がビタミンなどが欲しくなってきます。それもランニングの魅力で、走ることで食べる志向も変わってきます」と日常にも好影響をもたらすことを説いた。

 ◆金 哲彦(きん・てつひこ)1964年、福岡県北九州市生まれ。早大時代に箱根駅伝で活躍し、山上りの5区で区間賞を2度獲得。NPO法人ニッポンランナーズ理事長。全国各地のマラソン大会でアドバイザーを務め、選手から市民ランナーまで、幅広い層から厚い信頼を集めるプロ・ランニングコーチ。テレビやラジオでは解説者としてもおなじみ。1月には編著した「正しいマラソン」(サイエンス・アイ新書)を上梓した。

[ 2017年2月25日 ]

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