金哲彦氏に聞く【中】初マラソン挑戦者の3カ月前からのトレーニングとは?

トレーニング戦略について語った金哲彦氏

 1000万人を超えるといわれるランニング人口。毎週のように大会が開かれ、大都市開催のフルマラソンは高倍率の人気を集めている。一度は42・195キロを走ってみたいという人も多いはず。未経験者にとっては、どんなトレーニングが必要なのだろうか。マラソン・駅伝解説やテレビ番組、アドバイザーとして活躍中の金哲彦氏(53=NPO法人ニッポンランナーズ理事長)が初マラソン挑戦者の3カ月前からのトレーニングについて語った。

 フルマラソン未経験者でも通常の体力があり、制限時間が7時間ほどの大会ならばという条件で金氏は「走りきることができます」と言い切る。ペースを一定に保ち、時にはウオーキングを入れても最後まで体力をキープするというわけだ。

 著書やテレビ番組を通じて、3カ月のトレーニングで多くのフルマラソン完走を達成させてきた金氏によれば、基本的にはウオーキングから初めて徐々に量を増やして体力をつけ、ランニングについても速さよりも長い時間を走り続ける練習を重ねていくのだという。フルマラソンとは「10キロを4本走ること」と分けて考えるのもポイントだ。

 3カ月のトレーニングは、基礎のウオーキングからスタートして、ジョギングに移行、ペース走、可能ならハーフなどの大会出場、疲労を取る軽い練習といった項目がある。これをスケジュールに落とし込んで、一目で見られるようエクセルなどの表で見られるようにすると良い。金氏は「(1枚の紙という)アナログですが俯瞰(ふかん)してみることができて分かりやすいですよ」と、自身の“現在地点”を知ることができ重宝する。

 実際のトレーニングは計画通りに進まなくても悲観することはない。毎日できなければ週3回でも走り、ウオーキングでも継続すること。大事なのは適切な負荷をかけること。同じようなトレーニングになると飽きがくるので音楽聞きながらでもいいし、コースを替えて走ることで気分が変わる。逆に、頑張りすぎてオーバーワークには気を付けたい。そして記録を付けて自分の体について観察すれば体調変化が分かるようになる。そこに“気付き”があり、リスク回避できる。

 そしてレース本番では、最後まで走ることを念頭にいきなり頑張りすぎないことがポイントになる。金氏は言うのは「最初はどんどん抜かれてください」。そのココロは、スタート直後はついついトレーニング以上のスピードを出してしまうことがあり、周囲も前に行こうとするので乗せられて体力を使いすぎないということ。スタート地点では、設定タイムごとにブロック分けされていることが多く、持ちタイムより1ランクくらい下で“そろり”と走り出してもいい。

 わずか3カ月でも、無理のない計画を実践すればフルマラソン完走は高いハードルではなくなるはずだ。

 次回は「レース当日に役立つエネルギー戦略」。

 ◆金 哲彦(きん・てつひこ)1964年、福岡県北九州市生まれ。早大時代に箱根駅伝で活躍し、山上りの5区で区間賞を2度獲得。NPO法人ニッポンランナーズ理事長。全国各地のマラソン大会でアドバイザーを務め、選手から市民ランナーまで、幅広い層から厚い信頼を集めるプロ・ランニングコーチ。テレビやラジオでは解説者としてもおなじみ。1月には編著した「正しいマラソン」(サイエンス・アイ新書)を上梓した。

[ 2017年2月24日 ]

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