初の当日中止決定に陳謝 正式発表遅延は発表文を練るためというお粗末ぶり ラグビーリーグワン

[ 2022年5月7日 19:49 ]

<BR東京・大阪>試合当日の中止が決まり、秩父宮ラグビー場を訪れたファンに謝罪や説明を行うリーグワンの東海林一専務理事(中央)ら関係者
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 ラグビーのリーグワンは7日、同日に東京・秩父宮ラグビー場で予定していた1部最終節のBR東京(旧リコー)―大阪(旧NTTドコモ)戦を中止すると発表した。今年1月に始まったリーグワンで、当日の中止発表は初めてのケース。リーグによる正式発表は午後2時30分の試合開始まで3時間を切った正午前で、すでに多くのファンが来場する中で、後味の悪いドタバタ劇となった。

<中止の経緯>
2日 大阪の選手・スタッフ全員がPCR検査を実施(リーグが定める定時検査)。その結果、13人の陽性が判明
3日 再検査の結果、13人のうち7人が陰性に。リーグと協議し、試合実施を判断
5日 大阪が3度目のPCR検査を実施し、1人を除く陰性を確認。試合開始48時間前にメンバーを発表
6日 午後8時ごろにリーグが大阪に時系列を確認し、3日の再検査が認められない可能性があると通達。午後11時ごろ、リーグが両チームに中止の可能性を提示
7日 午前9時30分ごろ、中止が正式決定。正午前、リーグ公式ウェブサイトで中止を発表

 午後、会場内で取材に応じたリーグワンの東海林一専務理事によると、リーグと大阪側は密にコミュニケーションを図って試合実施へ動いていたものの、試合の主管権を持つBR東京側には十分な説明ができていなかったという。大型連休の影響で大阪が1回目に通常とは異なる検査機関を利用していたこと、1回目と2回目で検査結果に大きな差異が生じたことなどを、BR東京は問題提起。リーグ、両チームの3者間で試合開催へ向けた合意形成ができず、当日の中止決定という最悪の事態を招いた。

 開催可否を最終判断する責任者でもある東海林氏は「本来、火曜日(3日)に議論して方向性を見いだしていれば、ファンや関係者、選手、チームに迷惑をかけることは回避できた。(BR東京側から)上がってくる疑問に都度対応していれば、金曜日(6日)に問題が上がってきて、マネジメント不能に陥る事態は避けられた。リーグのミス、瑕疵(かし)と捉えている。お詫び申し上げる」と陳謝した。

 この試合はNTTグループの再編により、来季は3部に降格する見込みの大阪にとっても、今季のラストゲームだった。遠方から応援に駆け付けたファンもいる中で、中止決定から2時間も後の正式発表になったことについては、「プレス(発表)の文言を書くところで、3者の調整が一部必要だった。この結果、発表が後ろ倒しになった。いずれにせよ、それもミス。ファンの皆様にも一刻も早くお知らせすべきところ、タイムラグが生じたことは大変申し訳ない」と重ねて陳謝した。

 試合は再試合、中止の場合の勝ち点の扱いを含め、週明けに発表される見通し。BR東京は現在入れ替え戦圏内の10位で、リーグの判断が来季の1部陣容にも大きな影響を与えることになりそうだ。

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2022年5月7日のニュース