川淵三郎氏 東京五輪は「金メダル数関係ない」 “国民の批判”に涙も「世界平和に繋がるはず」

[ 2021年7月18日 18:43 ]

東京五輪選手村の村長を務める川淵三郎氏
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 東京五輪選手村の村長を務める川淵三郎氏(84=日本トップリーグ連携機構会長)が17日放送のテレビ東京「FOOT×BRAIN」にゲスト出演。緊急事態宣言下での東京五輪開催に多くの国民から批判が高まっている状況に「世界中の人が日本に持っている気持ちを国民の皆さんが知ってくれたら、応援してくれる気持ちが少しは変わってくれるはずだと信じている」と涙ながらに訴えかけた。

 川淵氏は東京五輪開幕が迫るなか、新型コロナウイルス感染拡大などの影響により国民から批判が高まっている現状を問われると、五輪開催へ尽力してくれた人々に感謝を示しつつ涙で言葉を詰まらせながら「各国の組織委員会の人たちからは“日本ありがとうございます”“こんな厳しい時に日本がオリンピックを開いてくれて、日本しかこういうことはできない”“本当に日本に心から感謝します”というようなことをしょっちゅう言われる」と説明。「世界中の人が日本に持っている気持ちを国民の皆さんが知ってくれたら応援してくれる気持ちが少しは変わってくれるはずだと信じている。(とにかく)選手を応援してほしい」と必死の呼びかけ。

 五輪開催の意義については「東京五輪が終わったらやっぱりスポーツはスゴイなって、多くの人が感じてくれる事を僕は心から望んでいるし、そうなるに違いないと思ってるんだよね」とコメント。「日本人がオリンピックに対して互いに協力しあい、感染者数を増やさず日本国内で医療崩壊が起きなければ、大成功だと思う。その時、ああオリンピックやって良かったとなるはず」と続けた。

 さらにメダルについては「金メダルの数は関係ない」とキッパリ。「今大会はメダル数じゃなくて、感染者数が各国でどう収まったかが重要。感染者の数がゼロに近い国が優勝だみたいなね。そういう感染を撲滅する気持ちをずっと持ったまんま友情やスポーツマンシップを互いに培い、このオリンピックを各国が協力して終わらせたら、それが世界平和に繋がると思うんだよね」と持論を展開。

 最後に「だから僕はともかく感染が広がらないよう、医療が崩壊しないように祈りながら村長としての役目を果たしていくつもりです」と締めた。

 ◇川淵 三郎(かわぶち・さぶろう)1936年(昭11)12月3日生まれ、大阪府高石市出身の84歳。三国丘高―早大―古河電工。サッカー日本代表FWとして64年東京五輪ベスト8など国際Aマッチ26試合8得点。日本代表監督などを経て91年にJリーグ初代チェアマンに就任。日本サッカー協会会長、東京都教育委員、首都大学東京理事長、日本バスケットボール協会会長などを歴任した。

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