JOC山下泰裕会長、森喜朗会長の辞任求めず「最後まで全うしていただきたい」

[ 2021年2月5日 13:07 ]

JOCの山下泰裕会長
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 日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長が5日、都内で取材に応じた。

 3日のJOC評議員会で、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと発言。JOCが女性理事の割合を40%に引き上げる目標を掲げ、役員選考の見直しを進めていることを受けての言葉が問題となり、国内外で大炎上。森会長は4日に会見を開いて謝罪し、発言を撤回するとした。

【JOC山下泰裕会長と一問一答】

 ――森会長の発言から謝罪会見まで一連の流れを見て、どう受け止めたか

 「やはりオリンピック、パラリンピックの精神に反する不適切な発言であったと、そういう風に思っております。森会長も、それについてお話をして撤回されと聞いてますけども」

 ――実際に会議で発言を聞いた時に不適切だと思わなかったのか

 「すでに全員、皆さんがご存じのように、議長が評議委員会の閉会を宣言して評議委員会の議事が全て終わったあと、最後に私の方から東京2020の進捗状況をコロナ対策等を含めてお話をした次第ですね。ですから、ほとんど記事が評議委員会の中でって、なってますけど厳密に言うと、それをクローズしたあと、しかも40分近く話された中で、たしか真ん中くらいのところでそういった話になったんじゃないかなと。で、最後は東京2020に対する期待で締めくくられた。ですから、あの…指摘する機を逸してしまった、それは正直な感想です」

 ――森会長の発言を聞いた時はどのように感じたか

 「あの、この改革、女性40%、外部理事25%に関しては、やはりオリンピック前でも必要な改革でやるべきだと、むしろ後押しされていた改革、そういう認識を持ってましたので『これから会議が長くなるぞ』っていう意味で私に言われたのかな、と。女性蔑視というよりも私に対して、女性40%・・・。そんな感じ…。まあ、『ん?』と思った部分は正直ありましたけど。話がいろいろ変わってきましたから」

 ――評議員会では出席者から笑い声も上がっていた

 「きょう来てJOCに確認したら、笑いが起こったところというのは女性差別のところではないと、細かく調べたら、という報告は受けています」

 ――森会長の発言はまずいという雰囲気にならなかったことについて

 「臨時評議員会開くというのは理事選考のあり方ですね、大きく変わります。そのことを評議員会の人たちに理解してもらう、これが一番大きなメーンでしたので。そのことについて福井専務と私の方からですね、多様性の確保含めてお話をして、評議員を含めて方向性をみなさんで理解していただいていた、と。そういう認識を持っておりました。ですから、会議全体としてはそういうJOCの目指している方向性を全体として認識していただいているという風に。

 ――森会長を評議員会に招いた理由は

 「(森会長は)名誉委員なので。名誉委員というのは、実は森会長は組織委員会の会長ですから。当然見えられれば、評議員のみなさんも東京2020に向けての状況とかをお聞きしたいだろうと。来ていただいたのならお話をいただけませんか、という話をした」

 ――森会長側から「出席する」という話だったのか

 「出席した方がいいよね?というのははっきり言われました。毎回、評議員会についてはそういう風に聞かれます」

 ――森会長の今回の発言を機に何か変えていくことは

 「変えていくというより、さらに進めないといけない。われわれが目指しているものをですね。だから、言い方を変えるとさらに目指しているもの、今回かなり丁寧に進めてきました。会長や専務理事、理事だけじゃなくて、ご理解いただいたのでそれをさらに進めていかないといけない。多様性、差別のない、共生社会。変えるという方向じゃなく目指している方向をさらに進めていくという認識です」

 ――ここでのコメントがJOCの公式見解か

 「これが(公式見解になる)」

 ――国内外で森会長の辞任を求める声があるが

 「本人が謝罪されて、発言撤回されております。いろんな意見があることは分かっています。最後まで組織委を全うしていただきたい」

 ――森会長を支持する理由は

 「謝罪されて発言を撤回されています。発言を支持しているわけではない」

 ――4日に何もメッセージを発信しなかった理由は

 「きょうJOCに来ることになっていましたので、みなさんの前で直接対応するのがいいだろうと思いました」

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2021年2月5日のニュース