森会長、なぜ失言を繰り返す?…サービス精神と焦りやすさ、“神の国”など失言の原因に

[ 2021年2月5日 05:30 ]

記者会見する東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長
Photo By 代表撮影

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は、首相まで上り詰めた手腕、政界やスポーツ界への人脈の広さは永田町でも一目置かれているが、失言の多さに政治家として「サメの脳みそ」とまで揶揄(やゆ)されている。そんな森氏は、なぜ絶大な権力を持ち、なぜ失言を繰り返すのだろうか。

 自民党関係者によると、森氏の力の源泉は衆参で100人を超える最大派閥「細田派」(旧清和会)に影響力を持ち、青木幹雄元官房長官や古賀誠元幹事長や重鎮とも話ができること。安倍晋三前首相と青木、古賀両氏のパイプ役となったことで、安倍氏も森氏の意向には従うという。

 さらに「森さんがここまでのし上がってきたのは、気配りと懐の大きさ。個別に話をすると極めて楽しい人で、与野党を問わずに慕われている」(永田町関係者)という。

 気さくな人柄と話題の豊富さで「座談の名手」として知られており、よく言えば「サービス精神」が旺盛。場を和ませよう、盛り上げようとして冗談のつもりで言ったことが脱線し“炎上”。「麻生太郎さんに近い失言の仕方」(同)という。首相時代に問題になった「神の国発言」も神道政治連盟議員懇談会のあいさつで、出席者を喜ばせようとした発言だった。

 ただ、そのサービス精神はもろ刃の剣でもある。「焦ると耳目を引きつけるためにいろいろなことをしゃべる癖がある。世論が五輪反対に傾きつつある中で焦りがあり、それが今回の失言につながったのではないか」(野党ベテラン議員)との指摘もある。

 「ジョークや盛り上げのつもりでも、今回の女性蔑視発言は森さんの本音でしょう。考えの古さは覆いようがない。ご自身も言っていた“老害”と言われても仕方ない」(与党議員)との声も上がった。

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2021年2月5日のニュース