日体大柔道部でクラスター OB阿部一二三への影響も

[ 2020年8月8日 00:10 ]

人影のない日体大柔道部の克己寮
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 日体大柔道部の部員計10人が、新型コロナウイルスに感染していることが7日、複数の関係者への取材で分かった。全日本柔道連盟(全柔連)が感染症対策や練習再開の指針を示す中でのクラスター発生で、今後への影響が懸念される。

 今回の集団感染は、改めて柔道というコンタクト競技における感染防止の難しさを浮き彫りにした。全柔連では6月に練習や大会再開のための指針を作成。A4ファイルで20ページを超える資料の中では、制約なく練習が可能となるまでを4段階に分け、段階ごとに可能な練習時間や内容、1人当たりの畳面積を事細かに設定。練習前後の衛生管理方法なども示している。日体大柔道部での集団感染におけるルートは分かっていないが、仮に練習中に感染が広がったとすれば、7月28日に改訂版が発表されている指針を改めて見直す必要が生じる。

 気がかりなのは東京五輪代表が唯一決まっていない、男子66キロ級で代表入りを目指すOBの阿部一二三(パーク24)への影響だ。柔道界では慣例的に、母校が主な出稽古先となっている。全柔連の指針によれば、日体大で乱取りが可能となるのは、少なくとも9月中旬以降。丸山城志郎(ミキハウス)と代表を争う阿部は、12月に代表最終選考会となるグランドスラム(GS)東京大会を控えるだけに、今後1カ月間、母校で稽古できない影響が懸念される。

 くしくも今週、ライバルの丸山は練習拠点の母校・天理大で乱取りを再開した。日本中が注目する2人の世界王者による五輪代表争いが、コロナ禍で大きく揺らごうとしている。

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2020年8月7日のニュース