浅田真央さん語る、おうち時間とツアーへの思い

[ 2020年4月17日 05:30 ]

19年2月サンクスツアーで演技をする浅田真央さん。ツアーが延期となる中、ファンにメッセージを発信した(撮影・小海途 良幹)
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 フィギュアスケート女子で10年バンクーバー五輪銀メダル、世界選手権3度制覇の浅田真央さん(29)が16日、スポニチの電話インタビューに応じた。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、自身が主役のアイスショー「浅田真央サンクスツアー」が延期となる中、ファンへ温かいメッセージを発信。ツアーへの思いや自宅での過ごし方なども語った。

 ウイルスという見えない敵は、多くの人から平和な日常を奪った。光がなかなか見えない中、これまで世界を明るく照らしてきた浅田さんが、温かいメッセージを発信した。

 「今は本当に、世界中が大変な状況です。一人一人が気をつけて生活しないと、終息には向かっていかないと思います。今できるのは自宅にいて、耐えることですよね。皆さん、一緒に頑張りましょう!」

 政府が全国に緊急事態宣言を発令。外出自粛が求められている今、浅田さんも静かな生活を送っている。

 「練習は何もできていないです。リンクもクローズになってしまっていますし。食料品の買い出し以外は自宅にいます。映画を見たり、塗り絵をしたり、お掃除をしたり、ネットショッピングをしたり。断捨離もしました。料理もしていますよ。昨日(15日)はカレーとナンを作りました。おいしかったですけど、料理はまだまだだなって思いました」

 スポーツやイベントが次々に開催不可能に追い込まれる中、18年5月に始まった「浅田真央サンクスツアー」も例外ではなかった。3月の秋田など現時点で7公演が延期となった。「中止」としなかった背景には、ファンへの思いがある。

 「中止にすることは全然、考えていませんでした。待っていてくださる方がいるので、その方たちのところで滑りたいという気持ちが強かったです」

 10代の頃から世界の第一線で活躍した浅田さんは、9月25日に30歳になる。延期されたものを含め、誕生日以降にも公演は組まれており、人生の節目を迎えた浅田さんの滑りを見られるチャンスがある。

 「20代はフィギュアスケート一色で、フィギュアスケートの思い出がほとんどですね。その中でも引退という決断をして、スケートはもう終わりでいいかなと思ったけど、ツアーという続きがあって。フィギュアスケートだけが人生ではないですが、30代もフィギュアスケートとともに歩んでいきたいなと思っています」

 ツアー再開の日を見据え、浅田さんが口にするのは、現役時代さながらの熱い決意だ。

 「練習ができていない今は、ベストの状態とは言えません。ベストの状態で、皆さんの前に戻ってきたいと思っています!」

 浅田さんの演技を心待ちにするファンとともに苦境を乗り越えた時、感謝の旅がまた始まる。

 ▼浅田真央サンクスツアー 浅田さんがファンに感謝の気持ちを伝えるため、18年5月にスタート。他のキャストも交え、浅田さんが過去に演じたプログラムをメドレーで披露する。従来のアイスショーよりもチケットが低価格に設定されており、大人気を博している。

 ◆浅田 真央(あさだ・まお)1990年(平2)9月25日生まれ、名古屋市出身の29歳。5歳でスケートを始める。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を武器に台頭。05年GPファイナルを制したが、年齢制限で06年トリノ五輪には出場できなかった。10年バンクーバー五輪で銀メダルを獲得し、14年ソチ五輪は6位。17年4月に現役引退を表明した。1メートル63。

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