トヨタ自動車ラグビー部、廃部検討も…段階的に活動再開へ「失った信頼を取り戻す努力」

[ 2019年8月8日 12:14 ]

トヨタ自動車の河合満副社長(中)はラグビー部の廃部も検討していたことを明かした
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 トヨタ自動車ラグビー部の元選手2人が麻薬取締法違反罪などで起訴された件について、同社は8日、愛知県豊田市で会見を開き、同部を存続させた上で段階的に活動を再開する方針を明らかにした。8月19日から個人練習、W杯日本大会終了翌日の11月3日から外国人選手も含めた全体練習を再開する。来年1月開幕のトップリーグ参戦については、再発防止策などを日本ラグビー協会に報告した上で判断を待ちたいとしている。

 ラグビー日本選手権で3度の優勝を誇り、昨季トップリーグ3位のトヨタ自動車は6月に元選手の樺島亮太被告がコカイン所持、同じく元選手のイエーツ・スティーブン被告がコカインと大麻を所持したとして、それぞれ逮捕、起訴された。同社は2人を懲戒解雇とし、チームはトップリーグ杯出場を辞退するなど6月中旬から活動を自粛していた。

 河合満副社長は「当初は廃部という処分を前提に検討を進めていたが、部をなくしても根本的な解決にはならないとの結論に至った」と説明。事件が起きた原因に「勝つことにばかり気持ちが行き、支援していただいている皆さんに気持ちが向いていなかった」ことを挙げた。一方で、活動休止中も部員が職場で真面目に業務に取り組んでいることを挙げ、「失った信頼を取り戻す努力も含めた活動再開となる」と話した。ラグビー部は今後、同社の強化指定運動部から無期限で外され、採用や練習時間などに制約が課されることも明らかにした。

 同社では2人目の逮捕者が出た直後にラグビー部の選手、指導陣、スタッフ全員に対し、第三者機関による毛髪検査を行ったが、薬物使用が疑われる結果は出なかったという。今後は外部からインティグリティマネジャーを招へいするなどスタッフを見直し、依存症に対応した教育機会の設定や、選手らには入団前と入団後の抜き打ち検査を実施するなど抑止力向上に努める方針という。

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