錦織と一問一答「悔いが残るのは、少し焦ってしまった部分」

[ 2019年7月11日 05:50 ]

テニス ウィンブルドン選手権第9日 ( 2019年7月10日    英ロンドン・オールイングランド・クラブ )

フェデラー敗れ引き揚げる錦織圭(撮影・小海途 良幹)
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 男子シングルス準々決勝が行われ、第8シードの錦織圭(29=日清食品)は、第2シードのロジャー・フェデラー(37=スイス)に6―4、1―6、4―6、4―6の逆転負けを喫した。1933年の佐藤次郎以来、日本人男子として86年ぶりの4強進出はならなかった。試合後の会見の主な一問一答は以下の通り。

 ―第1セットはリターンが決まったが、第2セットから苦しんだ。振り返ってみてどうか。
 「1セット目はリターンが合っていた。彼のファーストサーブの確率が低かった。そこはかなり思い切って攻めていけた。徐々に彼のファーストサーブの確率が上がってきた。リターンゲームでほぼチャンスがなかった。2セット目以降は苦しかったですね。セカンドもちょっとタイミングが合わなくなってきて。ちょっと変えられた部分もあったので、それに対応できなかったり。焦ってしまったり。あと自分のファーストサーブの確率がものすごく低かった。ほぼ、どのゲームもプレッシャーを感じながらやっていたせいで、なかなかリターンゲームに気持ちが入っていけなかった。いろんな要因はありましたけど、リターンと自分のファーストサーブの2つがかなり大きな原因になってしまった」

 ―ターニングポイントはどこだったのか。
 「2セット目以降はずっとサービスゲームがつらかった。先にブレークしていたら、もしかしたら変わっていたのかもしれない。自分のサービスゲームが余裕ができてファーストが入り出した可能性もありましたけど。なかなかそのチャンスが巡ってこなかった。あまりチャンスというチャンス、先にブレークできそうという光が2セット目以降は見えなかった」

 ―センターコートで今持てる力は出し切れたか?
 「出し切りましたけど。やっぱり自分のプレーが継続できなかった。確実に相手も強くはなりました。ちょっと焦ってしまったり。もうちょっと我慢しながら。彼のプレーのよさからくるプレッシャーだったり。ベストな選手とやっているので。そこは彼の強さに負けた部分だったと思います」

 ―フェデラー自身のプレーの変化は感じたか。
 「みんなに対してもそうですし、自分に対しての対戦の時は変化を感じていている。たぶん2~3年かなと思いますけど。昔のように、ゆっくりラリーしてくれなくなった。どの選手に対しても彼のプレーは変わっている」

 ―ネットプレーをチャレンジしていたが、確率が低かったように見えた。
 「出過ぎたのはちょっと焦っていた部分もあった。そういう面でもうちょっと我慢していたらよかった。彼のブロックリターンだったり。そういうのに焦って出てしまった部分があった。彼のリターン、パスが今日はすごかったのでしょうがない。前に出てポイントを取れた部分もあった。良かった点と焦ってしまった部分が今日はあった」

 ―フェデラーと打ち合うのはきつかったのか。全豪でジョコビッチ、全仏でナダル、今回はフェデラーに当たった組み合わせについては。
 「毎回、優勝する相手に当たるなとは思いますけど。8(強)まで来ているので、そこを悔やんでもしょうがない。でも、それは若干思います。でも、フェデラーとここでやれてよかった。負けはしましたけど、強いフェデラーとやれたのはいい経験になったと思いますし。悔いが残るのは、少し焦ってしまった部分。ファーストサーブがあまり入らなかったこと。1セット目、いいテニスができていた。芝でのプレーもまた昨年に続き、今年はいいプレーができた。毎年、ここでやるのは楽しみになる」

 ―大会通じての手応え、収穫は。
 「全体的にプレーの質はすごく上がっていた。たぶん去年の試合よりも、どの試合もよかったですし。悪い試合もそんなになかった。安定して芝でもプレーできるんだなとあらためて自信になりました。今日はあんまりでしたけど、サーブもよくなってきている。ファーストでポイントが取れる時はかなり増えていたのかなと感じていた。ハードでも、ファーストサーブの確率が上がって、ポイントが増えてくれば、よりチャンス出てくる。収穫はたくさんあったと思います」

 ―ハードコートのシーズンが始まる。どういう目標を立るのか。
 「ランキング的にはいい位置にいると思う。意外と自分が思っているよりは高い位置にいる。それは維持したいですね。最後の冬のUS以降までに、さらにいい位置にいられるようにしたい。インディアンウェルズとマイアミとあまりよくなかったので。若干ちょっとハードに対して不安はありますけど。フレンチ(全仏)とここでプレーがよくなってきている。調子が上がってきている。どうなるか分からないけど、頑張りたい」

 ―第3セットでブレークポイントを取りに行き、リターンが入らず落胆しているシーンがあった。
 「読みが当たったか外れたか覚えていないんですけど。たしかに、ゲームに戻ってくる唯一のチャンスだった。ああいうところも、これから強くなっていく上で大事なところ。なくしていかないといけない。課題もさらに多く見つかった大会になった」

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2019年7月11日のニュース