村上、NHK杯棄権で世界選手権アウトも前代未聞の救済案浮上

[ 2019年5月18日 17:02 ]

<NHK杯・女子競技>NHK杯を棄権し、目を潤ませながら報道陣に対応する村上(撮影・吉田 剛)
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体操女子の18年世界選手権個人総合銀メダリスト・村上茉愛(日体ク)が両仙腸関節症でNHK杯を棄権したことを受け、18日の競技後に日本協会の田中光・女子強化本部長が取材に応じた。

 今年10月の世界選手権(ドイツ)の女子日本代表の選考方法は、NHK杯の上位4人がまず代表に決定し、残り1人は6月22、23日の全日本種目別選手権(群馬)の結果も踏まえてチーム貢献度で選出するが、NHK杯12位以内という基準があり、村上の代表入りは消滅した。

 世界選手権は20年東京五輪の団体総合の予選を兼ねており、既に出場権を得ている米国、ロシア、中国を除く上位9チームが五輪切符を得る。女子のエースを欠き、田中本部長は「非常に日本としては厳しい現状」と険しい表情を浮かべ、前代未聞のプランを明かした。

 日本女子では世界での実績で群を抜く村上を救済するため、選考方法の変更も検討するという。「村上選手のインパクトは大きくて、チーム全体のカラーが変わってくる」と田中本部長。現状では補欠での帯同も不可能なため、「NHK杯12位以内」という条件をなくすなどの数パターンを女子強化本部会で協議し、6月8日の理事会に提案する可能性がある。

 ただ、一度発表した代表選考基準を途中で変更するのは反発を招くリスクを抱える。体操界は昨年、パワハラ騒動で揺れた。田中本部長は「平等性、透明性を考えるとこれ(現在の選考方法)で進めたい」とする一方、「何とか団体の枠を取りたいので・・・」と言葉を絞り出した。

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