羽生結弦に必要な3週間の安静、ファイナルと全日本は「考えないといけない」

[ 2018年11月17日 22:29 ]

フィギュアスケートGPシリーズ第5戦・ロシア杯最終日 ( 2018年11月17日    モスクワ )

<フィギュア・ロシア杯>会見を途中で切り上げ松葉杖をついて引き揚げる羽生結弦(左)=撮影・小海途 良幹
Photo By スポニチ

 羽生結弦(ANA)がアクシデントを乗り越えて、日本男子最多となるGP通算10勝目を挙げた。男子フリーで167・89点をマークし、合計278・42点で優勝。ファイナル(12月6〜8日、バンクーバー)進出も決めた。

 この日朝の公式練習。4回転ループで転倒した瞬間、羽生は思った。「いっちゃったな」。右足首を痛め、思い描く理想の構成では完遂できないことを悟り、瞬時にジャンプを練り直した。転倒から立ち上がった後、「ここで何をやろうか」と考えながら、リンクを滑っていた。痛み止めの錠剤を服用し、強行出場。試合後、取材エリアで羽生が明かしたのは衝撃の内容だった。

 「靱帯の損傷には間違いないので。ドクターの指示を言ってしまえば、3週間は安静なんですよ、本当は」。フリーは憧れたプルシェンコ氏の「二ジンスキーに捧ぐ」をアレンジした「Origin」。舞台が思い入れの深いロシアだったからこそ、勝負のリンクに立った。もちろん、その代償が小さくないことは、本人が一番理解している。3週間の安静が必要なら、ファイナルはもちろん、調整期間を考えれば年末の全日本選手権(大阪)も厳しくなってくる。

 「今日みたいな構成で勝てると思っていないし、今日も悪化させるような演技をしている。足首に良くないことをした自覚があるからこそ、(ファイナルと全日本は)考えないといけない」。患部に不安を抱きながらリンクに立つのか、それとも年内は休養か。自らの心と体の声に耳を澄ませ、羽生は決断を下す。

続きを表示

2018年11月17日のニュース