貴親方 不退転の決意、10・1臨時理事会で退職正式決定へ

[ 2018年9月27日 05:30 ]

部屋に戻った貴乃花親方は大勢の報道陣に囲まれる
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 日本相撲協会に引退(退職)届を提出した貴乃花親方(46=元横綱)の不退転の決意は変わらなかった。25日に提出した所属変更願などの書類は不備があったため保留となっていたが、26日に転属先に希望している千賀ノ浦部屋の師匠の千賀ノ浦親方(57=元小結・隆三杉)、弁護士らと協議し、27日に改めて所属変更願を提出することになった。引退届ではなく退職届を新たに提出する意思もあり、臨時理事会が開催される10月1日にも正式に退職が決まる。

 衝撃の引退届提出から一夜明けても、貴乃花親方の信念は変わらなかった。この日は東京都江東区の貴乃花部屋で、千賀ノ浦親方、貴乃花親方の弁護士を交えた三者会談を開き、相撲協会から指摘された書類の不備などに迅速に対応した。

 前日、急きょ力士ら10人の移籍を要請された千賀ノ浦親方は「受け入れることになれば準備は早めにしないと」と自ら貴乃花部屋に足を運んだ。協議が終わると、所属変更願に署名、押印をしたことを明かした。貴乃花親方からは「よろしくお願いします。申し訳ありませんが、どうしてもお願いします」と懇願されたという。

 弁護士は27日に相撲協会を訪れ、書類を提出する。ただし、力士らの移籍については27日の理事会での審議は見送られ、10月1日の臨時理事会で諮られることになった。

 退職を意味する「引退届」は、弁護士が相撲協会の会員規則の文言にのっとって作成したものだったと説明した。相撲協会は退職する場合は「退職届」の提出が必要としている。それについては柔軟に対応する姿勢を示した。

 貴乃花親方は前日の会見で、内閣府の公益認定等委員会に提出した告発状について、相撲協会から「事実無根と認めなければ、親方を廃業せざるを得ないなどの有形、無形の要請を受け続けた」と圧力があったと話した。相撲協会は全面否定したが、改めて反論することはなかった。弁護士は「そのことは話していない。親方は今後、敵対したり、自分の告発状に書いてあるものを実現したりとか、そういうことは一切考えていない」と話した。事実無根ではないという確信はあっても、再び話し合うことは選ばなかった。

 若手親方には「貴乃花親方を辞めさせてはいけない」という考えを持っている者もいたが、そういう声も聞き入れず、たった一人で退職を決断した。臨時理事会までに正式な退職届が提出されれば、10月1日にも貴乃花親方は花田光司になる。

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