高藤60キロ級連覇!日本男子43年ぶりも反省「圧倒的な優勝しないと」

[ 2018年9月21日 05:30 ]

柔道・世界選手権第1日 ( 2018年9月20日    アゼルバイジャン・バクー )

男子60キロ級決勝 ロシア選手(下)を攻める高藤
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 男子60キロ級で高藤直寿(25=パーク24)が決勝でロベルト・ムシビドバゼ(ロシア)を破り、2年連続3度目の優勝を飾った。日本男子で最軽量級の2連覇は、隔年開催だった1973年と75年の南喜陽以来、43年ぶり。永山竜樹(22=東海大)は銅メダルを獲得。2連覇を目指した女子48キロ級の渡名喜風南(23=パーク24)は決勝でダリア・ビロディド(ウクライナ)に敗れ準優勝だった。

 事実上の決勝となった準決勝の永山戦に勝利すると、笑みを浮かべてガッツポーズを繰り出した。開始直後は積極的に自分から攻めながら、左膝を痛めて防戦一方に。しかしゴールデンスコアの延長戦に入ると息を吹き返し、16秒、小内刈りで技ありを奪った。

 「代表内定を取って、負けなしできているのに2枠使う(第2代表)のは悔しかった。60キロ級は1人で大丈夫と証明したかった」

 連覇への挑戦は、9カ月間の独自調整の正しさを証明することでもあった。全日本柔道連盟が同一年の世界選手権とグランドスラム(GS)東京大会の連勝で、翌年の世界選手権代表を内定させる内規をつくったのが昨年。高藤は第1号となり、これまでとは全く異なる道のりを歩んだ。

 2、3月に欧州で開催されるグランドスラム大会には出場せず、1段階レベルが低い国際大会に1つ上の66キロ級で出場して優勝した。4月には最終選考会の選抜体重別選手権を回避。最軽量級としては異例の、無差別で争われる全日本選手権に挑戦し、初戦負けながら日本武道館の畳に立ち、その聖地で行われる20年東京五輪へイメージを膨らませた。

 5月に25歳となり、減量は年々厳しさを増す。例年なら4月までに2度減量を乗り越える必要があったが、練習に没頭した。寝技を磨き今大会の4回戦、準々決勝はいずれも送り襟絞めで一本。以前は「急激に落としていた」約7キロの減量方法も見直し、試合3週間前から毎食取りながら落とす方法に。苦手の野菜も積極的に口にするようになり「大人の柔道ができるようになった」と話した。

 決勝は前半で技ありを奪っての優勢勝ち。「投げようと思ったけど逃げてしまった。普通じゃない、圧倒的な優勝をしないと」と反省する。求められるのは日本の1番手として、他を勢いづける圧倒的な勝利。東京五輪へ、もっともっと自分を磨き続ける。

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2018年9月21日のニュース