【松岡修造の目】“ジョコの呪い”凡ミスで圭の魂がどこかに吹っ飛んだ

[ 2018年9月8日 13:54 ]

厳しい表情を見せる錦織圭(AP)
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 “ジョコビッチの呪い”が圭の中にある。そういう捉え方じゃないと今日の負けは納得がいかない。圭も納得いかないだろう。

 第1セットは出だしから緊張していて全て空回り。でも1ブレークされただけでジョコビッチも決して良くなかった。第2セットで何かきっかけがあればいける。それがブレークポイントを4本しのいだ第1ゲームだった。

 あそこでタフな圭を見せた。僕はテレビ解説をしていて「これで第2セットを取る」と言い切った。そうしたら第2ゲームのブレークポイントのチャンスで、2本とも超がつく凡ミス。どうしてああなったのか。あのゲームで流れをつかめなかったことで圭の魂がどこかに吹っ飛んだ。その後、第5ゲームでなんだかすんなりとブレークされてしまった。

 今大会の疲れはあったと思う。炎天下の疲れもあった。何よりジョコビッチを相手に2セットダウン。その景色を見たときに、13連敗の重みが圭にぐっとのしかかってきた。第3セットもタフに戦ってはいるけど心ここにあらず。今日のジョコビッチのテニスに崩されたとは思えない。圭が勝手にミスをした。

 ケガから復帰してきてベスト4は凄いことだと思う。だが僕が悔しいのはジョコやナダル、フェデラーに「やっぱり錦織はテニスじゃなくて心のどこかに弱いところがあるな」と思われたこと。ジョコビッチは自分にない何を持っているのか、どんなことをしても勝とうとするメンタルの強さはどうしたら吸収できるのか。テニス人生があとどれくらいあるか分からないが、そのことを圭には考えてほしい。(スポーツキャスター)

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2018年9月8日のニュース