青木が連覇!五輪経験者に完勝 平井コーチ称賛「伸びてきた」

[ 2018年4月6日 05:30 ]

競泳日本選手権第3日・女子100メートル平泳ぎ ( 2018年4月5日    東京辰巳国際水泳場 )

女子100メートル平泳ぎで優勝し、表彰台で声援に応える青木(中央、左は2位の鈴木、右は3位の渡部)
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 今夏のパンパシフィック選手権(辰巳)とアジア大会(ジャカルタ)の代表選考会を兼ねて行われ、女子100メートル平泳ぎで、青木玲緒樹(れおな、23=ミキハウス)が日本記録に0秒02に迫る1分5秒90の好タイムで2連覇し、昨年の世界選手権に続く代表入りを決めた。女子100メートル背泳ぎでは小西杏奈(21=中京大)が派遣標準記録(1分0秒08)を突破する59秒62で2連覇し、主要国際大会で初の代表となった。

 スタートから積極的に飛び出した。ただ前だけを見て、前半50メートルを日本記録より0秒42速い30秒99のハイペースで入った青木は、後半さらに後続を突き放した。鈴木聡美、渡部香生子、今井月(るな)ら五輪経験者を寄せつけず、渡部の持つ日本記録に100分の2秒に迫る1分5秒90。自己ベストを一気に0秒63更新し「出て1分6秒2〜3、まさか1分5秒が出るとは思わなかった」と目を大きく見開いて驚いた。

 作戦は周囲を見ないことだった。元々緊張するタイプだが、初めて出場した昨年の世界選手権では周囲を意識し過ぎて自分を見失い、100メートルと200メートルともに自己ベストから大きく遅れ、準決勝で敗退。「周りを気にせず、自分一人でレースしているぐらいの気持ちでした。自爆さえしなければ自信があった」。持ち前のキック力を生かした自分の泳ぎに集中できたことが勝因だった。

 04年アテネ、08年北京五輪金メダリストの北島康介を育てた平井伯昌コーチの秘蔵っ子だ。小学生で全国制覇し、中1から北島らの高地合宿に同行し、英才教育を受けてきた。しかし、中学以降は伸び悩み、初めて代表入りしたのは社会人1年目の昨季。平井コーチは「日本選手権で初めて落ち着いた泳ぎができた。時間がかかったけれど、やっと伸びてきた」と愛弟子の成長を喜んだ。

 今回のタイムはリオ五輪4位、昨年の世界選手権5位相当。夏の国際大会へ向けて「まずは決勝に残って自己ベストを更新することが第一の目標です」と浮つく様子もない。7日から始まる得意の200メートルにも期待が膨らんできた。

 ◆青木 玲緒樹(あおき・れおな)1995年(平7)2月24日生まれ、東京都出身の23歳。武蔵野高―東洋大卒。昨年の世界選手権は100メートル準決勝14位、200メートル準決勝10位で敗退。目標とする選手は金藤理絵。1メートル68、56キロ。

 ▽代表選考方法 個人種目(五輪実施)は日本水泳連盟の定める派遣標準記録(過去4年間の1国2人の世界ランキング20位)を突破した上位2人をパンパシフィック選手権(8月、辰巳)、アジア大会(8月、ジャカルタ)の代表に選出する。5月のジャパン・オープン(辰巳)も追加選考大会となる。

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