【岡崎真の目】新葉、鬼気迫る集中力でSP8位から銀 果敢に挑んだ宇野も立派

[ 2018年3月25日 05:30 ]

フィギュアスケート世界選手権 ( イタリア・ミラノ )

2位の樋口新葉(左)と3位の宮原知子(撮影・長久保 豊)
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 樋口は最後まで気迫のこもった素晴らしい演技だった。ジャンプはもちろん、スピンやステップなどすべての要素で加点を得ており、文句なしの内容だ。

 SPで8位と出遅れたことで、逆に表彰台うんぬんよりも自分が今できることに集中することができたのだろう。昨年の全日本の頃は心と体が少し一致していないような印象を受けたが、今回は鬼気迫る集中力で見事にすべてを出し切った。SPもフリーも彼女の個性を十分に発揮できるいいプログラムなので、やるべきことをきちんとやれば来季以降もさらにレベルアップが期待できる。以前にトリプルアクセルを成功させたこともある選手なので、うまく組み込めれば表彰台の一番上も見えてきそうだ。

 足の状態が悪い中で果敢に五輪と同じ構成に挑んだ宇野も立派だった。回転不足や転倒はあったものの、後半に連続ジャンプを3つ入れるなど最後まで攻めきった。銀メダルは他の選手のミスに助けられた面も確かにあるが、諦めずにチャレンジしたからこそ手にすることができたに違いない。改めて宇野の頑張りに敬意を表したい。

 宮原、友野の援護射撃もあって、日本は男女とも来年の出場枠3を確保することができた。競争の激しい女子はもちろん、男子も友野の台頭で今季以上に熾烈(しれつ)な代表争いが繰り広げられそうだ。 (ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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