貴親方 告訴状取り下げ、態度急転「一兵卒として」協会と協力

[ 2018年3月24日 05:30 ]

大相撲春場所13日目 役員室に入る前に報道陣の取材に応じる貴乃花親方
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 全てをゼロにする――。元横綱・日馬富士の傷害事件に関する日本相撲協会の一連の対応などについて、内閣府の公益認定等委員会に告発状を提出していた貴乃花親方(45=元横綱)が23日、態度を急転させ、自らの“主張”を全面的に取り下げた。一方で、暴力行為で休場した弟子の十両・貴公俊への寛大な処分も希望。また、年寄会が求めていた28日の臨時年寄会での経緯説明についても応じる考えを明かした。

 貴乃花親方はこの日、京都府宇治市の宿舎で行われた朝稽古後に、自ら切り出した。

 「貴公俊のことで皆さまに心配をお掛けし、師匠として不徳の致すところです。内閣府への対応も法律に詳しくないですが、一兵卒としてゼロからスタートするということで弁護士さんと協議したい」とし、協会の姿勢を問題視していたこれまでの主張を一変させた。

 午後、春場所会場に現れた際も、告発状について聞かれると「全てをやり直して一兵卒として出直して精進したい」と繰り返し「法律の先生と話をしてから。全てをゼロにする。これは私の意思です」と説明した。

 弟子を思うゆえの“変心”だった。昨年の傷害事件以降、協会と対立し、内閣府にも告発した。そんな状況下の今場所8日目、弟子の貴公俊が付け人に暴力を振るうというあってはならない問題が起きた。協会が再発防止に取り組んでいる最中の不祥事。師匠がこれまで通りの姿勢では弟子の処罰が重くなるのは必至。自らの言動を改め、弟子ともども初心に戻ってやり直す決意が「一兵卒」という言葉に込められた。

 「(貴公俊は)将来ある身。私の責任もある。寛大な措置を(協会に)お願いしたい」と切望。協会にその旨を申し入れる可能性も示した。また、自身への処分については「一兵卒として出直し、微力ながら協会の皆さんに協力したいと」と話した。こうした貴乃花親方の発言について春日野広報部長(元関脇・栃乃和歌)は「テレビで見た。そうなの?全面降伏なんだな」とつぶやいた。協会は29日に理事会を開いて2人の処分を決めるが、その判断が注目される。

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2018年3月24日のニュース