栃ノ心 鶴竜止めて勝ち越し、先場所Vの意地 大関獲り足固め

[ 2018年3月23日 05:30 ]

大相撲春場所12日目 ( 2018年3月22日    エディオンアリーナ大阪 )

大相撲春場所12日目 11連勝中だった横綱・鶴竜を破り、支度部屋で笑みがこぼれる栃ノ心
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 関脇・栃ノ心が初日から11連勝だった横綱・鶴竜に土をつけた。大きな1勝で勝ち越しを決め、横綱の13日目の優勝決定も阻止。来場所での大関獲りの足固めも進んでいる。平幕・魁聖は遠藤に屈し2敗目となったものの、首位鶴竜との1差はキープ。3敗で高安、豪栄道、平幕の大翔丸、勢の4人が追っている。

 先場所優勝の意地があった。栃ノ心が鶴竜の独走に待ったをかけた。過去の対戦は1勝21敗で、19連敗中と苦手中の苦手。それでも「そういうことは考えず」と気迫で寄った。「こっち(左上手)が取れたから。絶対離さないぞと思って」。引き揚げる時の目は少し赤くなっていた。

 初場所で唯一の黒星を喫した相手。前まわしを先に取られて完敗しており、同じ轍(てつ)は踏まなかった。右を差して鶴竜を起こし、左上手を引いて雪辱。三役で2度目、関脇では初の勝ち越しだ。

 悪い流れも断ち切った。10日目は豪栄道に立ち合いで変化されて敗れた。11日目、高安との一番は物言いが付く惜敗。支度部屋でも悔しさを押し殺していた。この日は「落ち込んでも黒が白にはならない」と開き直った。

 苦難を乗り越えている。場所直前に左脚付け根を痛めた。申し合いができなくなり「調子良かったのに…。痛めたときの記憶があるから、怖い」と嘆いていた。中盤戦では患部からと思われる水が左膝付近にたまった。それでも部屋付きの岩友親方(元幕内・木村山)らが見守り、立ち合いからの流れを指導。怪力を生かした四つ相撲に力強さが戻ってきた。師匠の春日野親方(元関脇・栃乃和歌)も「今場所は無理して取っているところもあったけど、今日は落ち着いていた」と愛弟子の殊勲を称賛した。

 番付発表会見で「ひとつ上を」と目標を掲げた栃ノ心。三役の直近3場所で33勝が大関昇進の目安とされる。境川審判長は「2桁勝てば当然、来場所そうなる」と示唆。上位戦は終了。残り3番で2勝のノルマは決して難しくない。

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