桃佳 銀で締め!日本勢冬季最多5個目メダルに「まだ通過点」

[ 2018年3月19日 05:30 ]

平昌パラリンピック アルペンスキー女子回転座位 ( 2018年3月18日 )

平昌パラリンピック閉会式で日本選手団の旗手を務める村岡
Photo By 共同

 平昌パラリンピックは18日、平昌五輪スタジアムで閉会式が行われ、10日間にわたる障がい者スポーツの祭典が閉幕した。最終日のアルペンスキー女子回転座位で村岡桃佳(21=早大)が銀メダルを獲得。これで1大会5個目のメダルとなり、日本選手の冬季大会の最多記録を更新。出場全種目でメダル獲得で、日本パラスポーツの歴史に金字塔を打ち立てた。今大会の日本は金3、銀4、銅3の計10個のメダルを獲得し、前回14年ソチ大会の6個を大幅に上回った。次回は22年北京で開催される。

 有終の金とはいかなかったが、最後は銀メダルで締めた。10日の滑降での銀メダルを皮切りに、金・銀・銅コンプリート。そして冬季大会最多のメダル獲得と、まさに「村岡の、村岡による、村岡のための平昌」。そう表現しても過言ではない活躍を、21歳がやってのけた。

 「私で始まり私で終わる」。日本選手団の今大会1号メダルを獲得してから、口にする言葉にも自信がみなぎってきた。苦手種目という回転だったが、1本目はトップと1秒86差。金メダルも射程に捉えた。コースが荒れてきた2本目には前半で転倒して大幅にタイムロス。それでも「諦めかけたが、そこでも諦めなかったのはその言葉を思い出した。転んだまま終われない」と執念でフィニッシュラインを超え、歴史的な銀メダルを勝ち取った。

 スタンドから祝福してくれた本堂は「もはやパートナー」。本堂がナショナルチームに参加する前までは村岡が唯一の女子選手だった。「彼女が来たことで同じ女子仲間が増えてうれしかった。遠征も楽しくなった」。1人じゃないことも、村岡の活躍を支えていた。

 平昌での万感の思いを胸に、閉会式では再び旗手を務めた。小さい背中を大きく見せたい、と話していたのは開会式。たった10日間で一回り大きく、力強く、そしてたくましくなった姿が、そこにはあった。

 「(開会式より)もしかしたら顔つきも変わっているかも」とおどける女子大生。中学2年で本格的に競技を始めてから約7年。2度目のパラリンピックで出場全5種目でメダルを獲得するまでになった。「金メダルは(競技生活の)ゴールに近いという印象があったけれど、獲った今はまだまだ通過点だと感じている」。22年北京大会は全5種目金メダルの夢を抱いている。

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