サービスマン・片岡哲也氏 売るためより選手のため「やりがい」見つけ転身

[ 2018年3月12日 11:00 ]

パラアスリートを支える(3)

新たな戦力として加わったサービスマンの片岡哲也さん
Photo By スポニチ

 今季からアルペンチームのサービスマンとして“レジェンド”が同行している。冬季五輪のノルディックスキー・ジャンプで8度目の出場を果たしたレジェンド葛西紀明(45=土屋ホーム)や長野冬季五輪ラージヒル団体金メダルの原田雅彦(49=雪印メグミルクスキー部監督)らのサービスマンも務めていたという片岡哲也氏(51)がパラリンピックに舞台を移し、新たな戦いに備えている。

 元々はスキーメーカー専属のチューンアップサービスマンとして五輪を目指すアルペンレーサーと仕事をしていた片岡さん。去年の3月に平昌で行われたプレ大会に同行したことをきっかけにチームに加わった。「最初は健常者と障がい者スキーとの差異がわからなかった。勉強も兼ねていた」といい、選手がいい結果を出したことで自分の仕事に自信を深めていったという。

 サービスマンの仕事は自動車でいう車検やオイル点検といったスキーの手入れに加え、「足回りを固くするとかチューニングの部分も重要な要素になる」。ワックスもその一つで、選手の意見を聞き、専用の機械を使用して滑走面に細かい溝を入れて雪質に対応した滑走性の実現を図っている。

 五輪選手をサポートしていた片岡さんがパラ競技へ転身した一番の理由はやりがいだった。「メーカーは最終的には売るための仕事で、そのストレスもあった。選手のための仕事がしたいと思い、連盟の仕事ならその夢がかなうと思った」と熱い思いを語る。

 パラリンピアンと仕事をすることで新たな自信も芽生えた。「ノルディックもアルペンも、そしてパラリンピックもやったというサービスマンはあまりいないと思う」と胸を張る。「選手たちはメダルを獲ってこいと言われている。それをかなえるお手伝いをしたいと思っている」 (河西 崇)

続きを表示

2018年3月12日のニュース