有希 不運に泣くもさわやかな姿が感動呼ぶ…“恩返しの”メダルは4年後に!

[ 2018年3月9日 21:00 ]

平昌冬季五輪・スキー女子ジャンプ決勝で銅メダルに涙を流す高梨と、笑顔で祝福する伊藤
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 数々の感動を生んだ平昌五輪が終わった。日本勢は過去最多13個のメダルラッシュ。その陰でメダル候補が涙を流した。スキー・ジャンプ女子の伊藤有希(23=土屋ホーム)もその一人だ。

 五輪期間中は現地でジャンプを担当した。2月12日の女子ジャンプ。前回ソチ五輪4位の高梨沙羅(クラレ)が銅メダルを獲得。もう一人のメダル候補、伊藤はまさかの9位に終わった。それでもメダルを確定させた高梨に真っ先に駆け寄った姿は印象的だった。

 昨秋、五輪のために伊藤を取材した時の言葉を思い出した。「私は沙羅ちゃんみたいに、どれだけ期待されても負けないメンタルはない。(葛西)監督みたいに神懸かった運動神経もない。ただ、周りの人のパワーのおかげで能力が何倍にもなっている」。伊藤は支えてもらった人に五輪のメダルで恩返しがしたかったはず。試合後の悔し涙には、その思いが込められていたのであろう。

 今回、上位10選手の中で伊藤だけがジャンプに不利な追い風だった。しかも2本とも。風に恵まれなかったのは事実だ。五輪のために準備した伊藤のメダル獲得用の原稿は4年後まで保存しておく。

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2018年3月9日のニュース