小平棄権…過密日程に「体が悲鳴」日本勢初の総合連覇ならず

[ 2018年3月5日 05:30 ]

スピードスケート世界スプリント選手権 ( 2018年3月4日    中国・長春市 )

女子500メートルで37秒72をマークし1位になった小平だったが…
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 最終日が行われ、初日首位の小平奈緒(31=相沢病院)は女子500メートルで37秒72をマークして同距離の連勝記録を27に伸ばしたが、最終レースの1000メートルを前に棄権を申し出た。平昌五輪で500メートル金、1000メートル銀のメダルを獲得した女王。日本勢初の大会2連覇を目前にしながら、体調不良に涙をのんだ。

 苦渋の決断だった。2日間で4レースを滑り、ポイントで順位を争う今大会。日本勢初の連覇にあと一歩と迫っていた小平だったが、体調不良には勝てなかった。平昌五輪女子1000メートルを制した、テルモルス(オランダ)が猛追してくる中、一騎打ちとなった最後の1000メートルを残して棄権。「連覇に挑むつもりで最大限、体調を整える準備をしてきたが、体が悲鳴を上げてしまったことが悔しい」と肩を落とした。

 この日最初の500メートルで連勝を27に伸ばしたが、タイムは前日より0秒49遅い37秒72だった。2位に入ったテルモルスとの差は今季最小の0秒14。2日から風邪気味で微熱もある中、自らを奮い立たせてきたが「小平も生身の人間なので、誰も責めることはできない」と結城匡啓コーチ。快挙目前で力尽き、涙をのんだ。

 多忙を極めた。2月25日の五輪閉会式で旗手を務め、翌26日午後に帰国。報告会や解団式などに出席し、日本選手団主将の大役を果たした。そして28日の午前に中国へと移動。コーチが「五輪が終わっても気持ちが切れることなく(小平)本人は節制していた」と明かすように、体調管理を徹底してきたが、疲労は抜けなかった。

 小平は5日に帰国予定。「ちょっと残念な部分はもちろんあるけれども、これも勝負」と話した結城コーチは、17日開幕の今季W杯最終戦(ベラルーシ・ミンスク)出場も「慎重に考えたい」とした。31歳の女王は「思っていた以上に疲れが残っていたようなので、今は早く体調を回復させ、次に向かってまた励んでいきたい」と気持ちを切り替えていた。

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2018年3月5日のニュース