羽生 3カ月ぶり凱旋帰国 北京で主将の声に「任されたら光栄」

[ 2018年2月27日 05:30 ]

<平昌五輪日本選手団帰国>大勢の人々が待ち受ける中、姿を現した羽生結弦
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 平昌五輪の日本選手団が26日、成田空港着のチャーター機で帰国し、都内で帰国会見を行った。フィギュアスケート男子で66年ぶりの2連覇を達成した羽生結弦(23=ANA)は、改めて温かい声援を送り続けた日本国民に感謝。4年後の22年北京五輪までの競技継続は明言しなかったが、現役続行の場合は選手団主将就任に前向きな姿勢を示した。羽生ら選手団は27日、都内でファンに向けて報告会を行う。

 練習拠点を置くカナダ・トロントから直接平昌入りした羽生にとって、日本の地を踏むのは練習で右足首を負傷した昨年11月のNHK杯以来、約3カ月ぶりだった。目に飛び込んできたのは、到着ロビーにあふれた約1000人の人、人、人…。横断幕やくまのプーさんの着ぐるみを身につけた熱狂的なファンの祝福を浴び、笑顔で約50メートルの花道を歩いた。

 都内移動後に臨んだ帰国会見では「小さい頃から応援してくれたファン、ソチからのファン、初めて見てくれたファン、見てない人たちも気持ちを(平昌まで)飛ばしてくれた」と感謝の思いを述べた。右足首故障で氷上練習は本番1カ月前という危機的状況を乗り越えての快挙に「2連覇は大変だったが、皆さんの応援とともに獲れたことが、金メダルの価値を上げてくれた」と頭を下げた。

 すでに現役続行は明言している羽生だが、男子シングル史上2人目となる五輪3連覇の大偉業が懸かる22年北京の出場については、はっきりと態度を示していない。ただ、会見の途中で「いろんなことに挑戦して、幸せになれるような、笑顔になれるような演技をできればいい」と話したことで、思わぬ“追及”を受けることになった。

 質疑応答8問中、4問が羽生に集中する中で「主将にチャレンジ したいか」と問われると、思わず苦笑い。「そういう意味でチャレンジと言ったわけではない」と話したものの、「もし任されたら、それはそれで光栄。(主将に)行き着くまでに成績を残さないと任されない。余計に気を引き締められた。後ろから火を付けられた」とまんざらでもない表情を浮かべた。

 冬季五輪の主将として初めて金メダルを獲得した今大会の小平のように、限られた選手だけがその名誉と重責を担うことができる。競技実績は文句なし、人格に優れ、何より抜群の人気を誇る羽生が3度目の大舞台に挑む決断をすれば、指名される可能性は極めて高い。

 「ご褒美は金メダルで十分。獲ったからこそ祝福してもらえるので、これ以上は何も望んでいない」と締めくくった羽生。日本中からの祝福をエネルギーにして、4年後再び“感動ドラマ”の主人公を演じる可能性はある。

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