競泳・瀬戸大也 五輪は素晴らしい舞台と再認識 東京では金以外いらない

[ 2018年2月26日 11:00 ]

平昌冬季五輪 閉幕

<平昌五輪閉会式>平昌五輪閉会式
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 【メダリストは見た】平昌五輪に出場されたアスリートの皆さん、お疲れさまでした。閉会式で皆さんのリラックスした表情を見ながら「いよいよ、次は東京だな」という気持ちがフツフツと湧いてきました。ここから20年東京五輪まではあっという間でしょうね。もう、ワクワクしてきました。モチベーション、早くも高まっちゃってます。

 僕は今、三重県鈴鹿市で合宿中ですが、運良く4個全ての金メダル獲得シーンを見ることができました。心に残ったのはスピードスケート女子500メートルの小平奈緒選手の金メダル。自分の滑りを模索して、ついに世界の頂点に立ったストーリーはもちろん、ライバル李相花選手と抱き合った姿は、本当にジーンとしました。勝ち負けを超えたアスリートの絆を感じました。そして、僕が東京で目指すのは金メダルしかない、金メダル以外はいらない、という気持ちが強くなりました。

 同じANA所属の羽生結弦選手のフィギュアスケート男子の連覇も、感激しましたね。ケガをして、道のりは順調ではなかったと思うんですが、五輪という大舞台で最高の結果を残すなんて凄すぎる。羽生選手と宇野昌磨選手のワンツーから、日本が波に乗った気がします。リオ五輪では大会初日の僕と萩野公介選手のダブル表彰台(400メートル個人メドレー)で「勢いがついた」と言ってもらいましたが、やっぱり「流れ」ってあるものですね。

 羽生選手とは所属先が同じという縁はあるんですが、あいさつを交わしたことがあるくらい。「絶対王者」のメンタルは興味深いので、ぜひ話してみたいですね。もちろん「次は自分がやらなきゃ」というバトンを渡された気分です。

 スピードスケートで3個のメダルを獲得した高木美帆選手とも話してみたいんです。スピードスケートは競泳に似ている部分があると感じています。水と氷の違いはあっても、タイムを競う競技同士。フォームをつくったり、そのフォームに対応する体づくりをしたりというところも、似ていると思います。

 天才中学生として五輪に出場した10年バンクーバー、出場すらできなかった14年ソチ、そして今回と、どん底からはい上がってきた経験も聞いてみたい。自分も12年ロンドン五輪の出場を逃し、モチベーションを見失いかけた経験があるので、共感できるものがある気がします。

 日本は今、JISS(国立スポーツ科学センター)やNTC(味の素ナショナルトレセン)といった施設のおかげで、他競技の選手と情報交換する機会が増えています。高みへのアプローチ方法はさまざまですが「こういう練習方法もある」という刺激に満ちてます。そういえば、バドミントンの奥原希望選手は一緒に食事する友人なので高木美帆選手を紹介してもらおうかな(笑い)。

 オリンピアンになって初めて五輪を客観的に見て、本当に素晴らしい舞台だと再認識しました。僕はそんな大きな舞台が大好きなタイプ。2年後、東京で必ず結果を残すので、応援してください!

 ◆瀬戸大也(せと・だいや)1994年(平6)5月24日、埼玉県生まれの23歳。5歳で水泳を始める。13年世界選手権の400メートル個人メドレー優勝。15年世界選手権で連覇を達成。16年リオ五輪同種目は銅メダル。昨年5月に飛び込み選手の馬淵優佳と結婚。今年6月に第1子が誕生予定。1メートル74、75キロ。ANA所属。

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