井上　５位でも６分台、設楽悠に対抗心「やられたらやり返す」

東京マラソン （ 2018年2月25日    東京都庁前～東京駅前　スタート時の天候＝曇　気温６・５度　湿度３６％ ）

３１キロ付近、先頭集団で力走する設楽悠（左）と井上（２１番）＝代表撮影
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　日本歴代４位の２時間６分５４秒をマークも、井上大仁（ＭＨＰＳ）は全く喜べなかった。１年前には設楽悠を捉えた３８キロすぎで、この日は逆に抜き去られて日本人２位。ゴールに飛び込む直前には、日本記録更新を告げるアナウンスが耳に入ったと言い「今も頭に残っている。思い出すと歯がゆい」と話した。

　積極的な走りで３０キロ付近までは「余裕があった」が、その直後の外国勢の仕掛けは自重してついていかなかった。結果的には並走していたリレサの脱落後に自身のペースも落ち、設楽悠の逆転を許した。５キロ１５分を切るペースを保ち続けたが、３５キロからの５キロは１５分３８秒と急ブレーキ。「タラレバだけど、ついていたら結果は変わっていたかも。そこが自分の弱さ」と肩を落とした。

　今後については「目標、目的は世界と戦うこと」と具体的な予定の明言を避けたが、ＭＨＰＳの黒木純監督は「本当に暑い中でのレース経験がない。アジア大会（ジャカルタ）は五輪に近い気候。そこで試したい」と話しており、今年８月のアジアの祭典で２０年への足慣らしをする公算が大きい。

　川内優輝（埼玉県庁）にならって腕時計をつけず、ペースやタイムよりも勝敗にこだわる闘争派ランナーは「悔しさを生かしたい。やられたらやり返す」とリベンジに燃えていた。

　◆井上　大仁（いのうえ・ひろと）１９９３年（平５）１月６日、長崎県生まれの２５歳。山梨学院大進学後に頭角を現し、４年連続箱根駅伝に出場した。４年だった１４年度は３区で区間３位。１５年４月にＭＨＰＳに入社。２度目のマラソンだった昨年大会で日本人最高の８位に入り、ロンドン世界選手権代表入りし、本番は２６位だった。ハーフの自己ベストは１時間１分３９秒。１メートル６５、５１キロ。

　▽マラソングランドチャンピオンシップ（ＭＧＣ）　１９年９月以降開催予定の２０年東京五輪代表選考レース。男子のＭＧＣ出場権獲得は今季（１７〜１８年）と来季（１８〜１９年）の国内主要５大会で日本陸連が定めた順位、記録をクリアするか、国際大会で上位成績を収める必要がある。今回の東京マラソンでは日本人１〜３位以内でタイムが２時間１１分以内、もしくは日本人４〜６位で２時間１０分以内が条件だった。