マリリン涙…LS北見の太陽がサポート徹し銅「みんなに感謝」

[ 2018年2月25日 05:30 ]

平昌冬季五輪 カーリング女子3位決定戦   日本5-3英国 ( 2018年2月24日 )

<平昌冬季五輪・カーリング3位決定戦 日本×英国>英国に勝利し銅メダルを決め、涙を流し喜ぶ藤沢(左)と本橋
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 LS北見を創設した本橋麻里(31)は、涙が止まらなかった。「みんなに感謝。全員に“ありがとう”と言いたい」。1次リーグから計11試合、出番なく3度目の夢舞台を終えたが、献身的にチームを支えた。第5エンド終了時の“もぐもぐタイム”で口にするフルーツをカットしてタッパーにつめ、ミーティングでは中心になって一人一人がすべきことを説いた。

 チーム青森で06年トリノ、10年バンクーバーと五輪に2度出場。出身の常呂町(現北見市)に戻り、「常呂から太陽のような輝きを持ったチームに」という思いを込め、バンクーバーの半年後にLS(ロコ・ソラーレ)北見を創設。「選手ゼロ、スポンサーゼロのところから始めた」。企業に支援を依頼しても、最初は鼻で笑われた。選手勧誘も自らが行ったが、「全部自分でやってキャパを超えた」。スーツに身を包み、選手の就職先を一緒に探した。

 平昌に出場したリードの吉田夕、セカンドの鈴木は創設時のメンバー。北海道銀行でソチ五輪に出場した後、戦力外通告を受けた吉田知が14年6月に加わり、中部電力でソチに出られなかった司令塔の藤沢が、15年5月に加入した。16年日本選手権を制し、世界選手権でも銀メダルを獲得するなど成長を遂げ、今は20社近いスポンサーの支援を受ける。

 深い悲しみを抱えて臨んだ舞台だ。小学6年の本橋をカーリングの世界に導いてくれた小栗祐治さん(常呂カーリング協会初代会長)が昨年5月、88歳で亡くなった。新チームで「早く強くなりたい」との焦りが募っていた時、小栗さんに「肩の力を抜きなさい」と諭され、楽しむ原点に戻れた。生前、平昌での観戦に意欲を見せていた恩師に、笑顔の進撃を届けた。

 12年に結婚し、15年に長男を出産。妻となり母となった本橋は、結果だけを求めてピリピリしていたバンクーバーの頃とは違う。平昌出発前の3日、地元北海道の常呂神社で願った。「勝ち負けは付くけど、自分たちがやりきったと言える大会にしたい」――。夢舞台で全員が全力を尽くしたことは、メダルに劣らない勲章だった。

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