小平、羽生と“金トーク”したい 次は世界新「十分狙える」

[ 2018年2月20日 05:30 ]

平昌冬季五輪 スピードスケート女子500メートル

偉業達成から一夜明け、会見する小平
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 スピードスケート女子500メートル金メダルの小平奈緒(31=相沢病院)が、フィギュアスケート男子シングル2連覇の羽生結弦(23=ANA)との“金トーク”を熱望した。レースから一夜明けた19日、平昌で会見。現役を続行し3月にカナダで銀メダルの李相花(28=韓国)が持つ36秒36の世界新に挑戦することを明言した。頂点を極めた者同士として羽生からも貪欲に学ぶ姿勢を見せた。

 スピードスケートの日本女子で史上初めて金メダリストとなった小平は一夜明けて晴れやかな顔をしていた。

 「夢に描いているものを成し遂げることができたという気持ち。とてもうれしい」

 素直な喜びを口にすると、柔らかい笑みを浮かべた。

 レース前日は、テレビで見た風格漂う羽生の姿に目を奪われたという。「まずリンクに立った時、演技に向かう姿勢がもうすでに違うなというか、多分、何も考えなくても技が決まるたたずまいをしていた。こんな雰囲気でいけたら」。自らとフィギュア王者とを重ね合わせたが、小平もまたオーラを全身にまとって大一番に臨んでいた。練習用サングラスを交換するのを忘れたままスタートしたが、表彰台に上がるまで気づかぬほど極限まで集中していた。

 人との出会いを大切にし、多くを吸収できる視野の広さを持つ31歳。競技も違い、相手が8歳下であっても学ぼうとする姿勢は変わらない。羽生について聞かれると「ケガをしている期間、たくさん論文を読んだということなので、どんな論文を読んだか聞いてみたい」と対談に意欲的。五輪も危ぶまれたケガから華麗なる復活を支えたものは何だったのか“論文トーク”に花を咲かせる姿を描いた。

 「バンクーバーは成長、ソチは屈辱、今回の五輪はまた成長」。日本勢冬季最年長となる金メダル。3度目の五輪で最高の輝きを放ったエースだが、まだまだ満足することはない。今後について「(コーチの)結城先生と高めていきたい部分があるので、今回の経験も踏まえてお互いにステップアップできたらいい」と現役続行を宣言。ベテランの領域に達しても「駆け抜けている途中なのでまだゴールは見えてこない。それは突然、その日が来るのかな」と視線を上げた。

 「通過点」とした平昌を乗り越え、次に目指すものは李相花が持つ36秒36の世界新。3月には高地のカナダ・カルガリーの「高速リンク」の試合で、1000メートルに次ぐ自身2種目目のワールドレコードに挑戦する。「そう簡単には破れない世界記録」と語ったが、次の瞬間には、「気圧の条件だとか気温がそろえば高速リンクで十分に狙えるチャンスはある」と目を輝かせた。金メダルの余韻に浸るのは一瞬だけ。小平はもう走り始めている。

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2018年2月20日のニュース