追い抜き娘“収穫”の準決勝進出 ミスっても蘭と0秒48差

[ 2018年2月20日 05:30 ]

平昌冬季五輪 スピードスケート女子団体追い抜き1回戦 ( 2018年2月19日 )

女子団体追い抜き予選、レースを終え不満げな表情の(右から)高木美、高木菜、佐藤
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 女子団体追い抜き1回戦で、日本は2分56秒09で2位通過した。スタートでミスがありながらも立て直して、1位のオランダと0秒48差に踏みとどまった。1500メートルで銀メダル、1000メートルで銅メダルを獲得したエース高木美帆(23=日体大助手)は初の金メダル獲得へ向けて一歩前進した。準決勝、決勝は21日に行われ、準決勝では3位のカナダと対戦する。

 いきなりミスで始まった。号砲直後、足が空蹴りとなった佐藤が出遅れ、先頭の高木美との距離はどんどん開いた。高木美は約50メートル滑って「後ろが見えなかった」と最初のコーナーの入り口で上体を起こして振り返ってしまった。大きくタイムロスする最悪のスタート。佐藤は「私のミス。2、3歩で、足が抜けてしまった。追いつくまでに時間がかかって、1周目はスピードに乗れなかった」と悔やんだ。

 高木美が後方に下がって隊列を組むと、前の2人と接近してしまう場面もあった。それでも日本は徐々にペースをつかんで、28秒台の好ラップを刻んだ。最後はやや余力を残しながらゴールして2分56秒09。ライバルのオランダと差を0秒48差に食い止めた。高木菜は「(1周を)28秒台で行けたのは強み」と手応えも得た。

 今大会も調子のいい高木美のスピードを最大限生かす作戦で臨んでいる。6周のうち、空気抵抗を受ける先頭を高木美が3・5周、佐藤が1周、高木菜が1・5周で分担。今季3度目の世界記録をマークした昨年12月のW杯ソルトレークシティー大会と同じ先頭交代策で好ペースを維持できている。

 オランダは2分55秒61の五輪記録を出した。今季W杯では一度も負けていなかっただけに、高木美は「ここで合わせてくるのはさすがだな」と改めてライバルを警戒した。だが、日本はスタートなどに改善の余地を残しており「あのタイムは出せると思っている。悲観的になってはいない」と前を向いた。

 高木美の団体追い抜きへ懸ける思いは強い。15歳で初出場した10年バンクーバー五輪で日本は銀メダルを獲得したが補欠で出番はなかった。8年を経て先輩たちが届かなかった金メダルに挑む日本のエース。表彰台の中央に立てば今大会は全ての色のメダルを手にできる。「パシュートに懸けてきた時間はどこの国よりも多い。自信を持って、自分たちのレースをしたい」と力強く誓った。

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2018年2月20日のニュース