暁斗、悲願への道“平たん”ではないが…高低差激しく日本勢にはプラス

[ 2018年2月20日 09:00 ]

平昌冬季五輪 ノルディックスキー複合個人ラージヒル ( 2018年2月20日 )

公式練習でジャンプする渡部暁
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 【今日のツボ教えます】ノルディック複合個人ラージヒル(LH)は、20日に行われる。同ノーマルヒル(NH)で2大会連続銀メダルの渡部暁斗だが、4年前のLHは、後半距離での転倒が響いて6位。98年長野大会代表の荻原次晴氏(48)は、NHと同様に前半リードが金メダルの条件としつつも、今大会のクロスカントリーコースは、強い欧州勢との差が出にくい設定と分析をした。

 17日に行われたLHでの初練習を見たが、渡部暁を含めて日本勢の調子はいいと感じた。ここ数日はNHが行われた14日よりも天候が落ち着いている。風さえ安定すれば、前半の飛躍は渡部暁が首位に立てる。NHでメダルを獲得し、取材やセレモニーで忙しく過ごしたと思うが、練習の表情は良かった。ソチの時はNH後に気持ちが切れてしまったと言っていたが、今回はLHに向け精神的にも準備ができている。

 NHと同様、渡部暁が金メダルを獲るためには前半飛躍でのリードが必須となる。NHでは8秒後にスタートしたフレンツェル(ドイツ)に差されたように、やはり後半勝負では分が悪い。

 一方で今大会のクロスカントリーコースはスタジアム(スタート、ゴール付近)以外はほとんど平たんがなく、日本勢にとってはプラスに働くだろう。約10〜25メートルの高低差を5度繰り返し非常にタフだが、なだらかな場所の方が爆発力のある海外勢との差が出やすい。渡部暁は上りでも粘る力があるので、平たんコースに比べてマイナス面は少ないだろう。

 NHではクロカン序盤で集団を引っ張るシーンがあったが、混戦となった場合に先頭で滑るのは間違いなく不利。後ろに下がり様子見することも必要だろう。ただスパート勝負では厳しいので、行けると思った時には思い切って自ら仕掛けることも必要だ。脳みそでもしっかりと汗をかいて、戦略を立ててほしい。

 前半飛躍は午後7時、後半距離は同9時45分スタート予定と普段の試合に比べてスタートが遅いが、条件は全選手が同じだし、うまく調整するだろう。心にはメラメラと燃えるものがあるはず。複合個人初の金メダルという宿願をかなえてほしい。(98年長野五輪代表)

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2018年2月20日のニュース