小平、世界記録更新に意欲 亡き友・住吉さん思い涙「金獲ったと報告したかった」

[ 2018年2月19日 11:00 ]

スピードスケート女子500メートルの金メダル獲得から一夜明け、会見する小平
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 平昌五輪のスピードスケート女子500メートルで五輪記録を0秒34更新する36秒94の新記録で金メダルを獲得した小平奈緒(31=相沢病院)が快挙から一夜明けた19日平昌のジャパンハウスで会見。あらためて優勝の喜びを語ったほか、ライバルの李相花(韓国)との物語、また、500メートルでの世界記録挑戦への意欲を語った。

 レースに対する気持ちを問われると「自信は正直ありました。しっかり自分の滑りができればいいタイムがでると思いました」と胸を張った小平。力になったものの一つとして「大学1年から結城先生と積み上げたものが一番キーになった」と話し、「気付きや発見をチームメートと共有しながら、いいところや悪いところを指摘し合ってきた」。また「500メートルの記録を塗り替えたい」とし、今季最終戦となるカナダ・カルガリーでのレースで「今季のできる限りの挑戦をしたい」と新記録更新に意欲をみせた。

 決戦を制したレース後、李相花と抱き合うシーンがさらなる感動を呼んだが、李については「スケートの思いが素晴らしいものがあって彼女からたくさん学ばせてもらった」と感謝。思うような成績を残せずクールダウンをしながら泣いていた時、優勝した李がそばに寄り添い一緒に泣いてくれたエピソードを紹介しながら「心に寄り添っていてくれた。力をもらって次のステップに進めたことが何度もあったので恩返しをしたかった」と振り返った。

 「主将は金メダルを獲れない」というジンクスも破ってみせた。人前に出るのが苦手なこと、(ジンクスも)知っていたことから「あまり引き受けたくなかった」というが、それでも結城コーチから「奈緒しかできない」と説得されて承諾したという。「主将として学べるものは何だろうと考え、将来に生きると思い、覚悟を持って引き受けた」と話した。

 また、20日に天国へ旅立った大学時代の同級生・住吉都さん(享年30)との話に触れ、言葉を詰まらせる場面もあった。「彼女のことは何度も思い出すことが多くて、考えないようにしていても常に頭に浮かんでしまっていた」と告白。住吉さんの関係者からは、住吉さんが生前「奈緒が金メダルを獲ったら私が獲ったと同じ」と話していたことを聞いていたことも明かした。「救われたような気持ちだった」と小平。「本人の前で金メダル取ったよと報告したかったけど、それができないのは本当に残念」と、悲しみをこらえながら、亡き友への思いを語った。

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