葛西 団体戦メンバー入り、対面の妻と娘からパワー 笑顔戻る

[ 2018年2月19日 05:30 ]

平昌冬季五輪 ジャンプ団体戦 ( 2018年2月19日 )

平昌五輪ジャンプ団体に向けた公式練習で竹内(右)と言葉を交わす葛西
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 日本選手団旗手の葛西紀明(45=土屋ホーム)が、今大会のスキージャンプ最後の競技となる19日の団体戦(ヒルサイズ=HS142メートル)出場を決めた。18日の個人ラージヒルで出場日本選手最下位の33位に終わったが、18日の公式練習で1回目に日本勢トップの129・5メートル。団体戦の3番手で起用されることが決まった。団体戦は竹内択(30=北野建設)、伊東大貴(32=雪印メグミルク)、葛西、小林陵侑(21=土屋ホーム)の順で、小林潤志郎(26=雪印メグミルク)がメンバーから外れた。

 レジェンドが崖っ縁で底力を発揮した。1回目は緩やかな向かい風に乗って129・5メートルを飛び、日本勢トップ。2本目の129メートルも飛距離では日本人5人の中で一番で、団体戦のメンバー入りをたぐり寄せた。

 「1、2本目は悪くなかった。条件が良ければ行くでしょって感じ。(連戦で)頭が疲れ、本当は飛びたくなかったけど、昨日の成績では…。文句一つ言わずに飛びました」と笑顔。不出場なら02年ソルトレークシティー五輪の団体戦以来、4大会16年ぶりだったが、その屈辱を逃れた。

 前日は初めて家族が五輪観戦した記念すべき日だった。妻・怜奈さんと2歳の愛娘・璃乃ちゃん、姉・紀子さんが会場を訪れた。だが、その目の前で、まさかの失速。「残念な結果で悔しかった。でも僕の夢は一つかなった。次は家族が見ている前でメダルを獲りたい」と気持ちを切り替えた。

 この日午後には家族と対面。怜奈さんから「私と璃乃がいる。パワーがあるから大丈夫」と送り出されたという。葛西は「気持ちが落ちていたけど、嫌な気持ちがなくなった。(実際に)飛べるじゃんと思った」と笑顔を取り戻した。

 団体戦は最終種目。アンカーには絶好調の愛弟子・小林陵が抜てきされた。葛西は「若手に引っ張ってもらえたらうれしいが、自分も頑張らないと。みんなで力を合わせたい」。日本のお家芸復活へ。前回ソチ大会に続く、2大会連続のメダルを狙う。

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