他競技と新たなコラボを――選手会副会長・薗田峻輔が考えるツアー改革

[ 2018年2月19日 11:30 ]

1月、ジャパンゴルフツアー選手会理事役職を発表し、手を合わせる(左から)薗田峻輔副会長、石川遼会長、宮里優作副会長、深掘圭一郎副会長
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 【福永稔彦のアンプレアブル】国内男子ゴルフのジャパンゴルフツアー選手会で副会長を務める薗田峻輔(28=フリー)がツアー改革に意欲を示している。

 今年1月、選手会会長に就任した石川遼(26=CASIO)は東京・杉並学院高の2年後輩にあたる。薗田は史上最年少会長と、他の選手たちとの間に立ってパイプ役を務めようと考えている。

 「遼自身いろいろ(ツアーを)変えたい気持ちがすごくある。そういうところをサポートしたい。僕自身(選手会理事の中で)彼と一番年が近い。先輩には言いにくいことがあるかもしれない。僕が間に入って相談に乗りたい」と気遣った。

 そして薗田自身も、男子ツアーを盛り上げるために何ができるのかに思いを巡らせている。「他のスポーツの方々とセッションできれば面白い。(米ツアーの人気選手)リッキー・ファウラーが野球場でショットを打つ場面を見たことがある。例えば東京ドームでもいいし、横浜スタジアムでもいい。野球場でゴルフのイベントをやる。そこにプロ野球選手が絡んでくれるとか。逆にゴルフ場にプロ野球選手を招いて野球のイベントをやるとか」。

 ゴルファーがプロ野球の試合で始球式を行ったり、ゴルフのプロアマ戦に野球選手などアスリートが参加したり。ゴルフと他競技とのコラボはないわけではないが、もっとファンの関心を集めるために新たな形でやるべきという考えだ。

 確かにアクセス抜群の東京ドームでプロゴルファーのショットが見られるとなれば、見に行ってみようかという人も現われるだろう。そこにプロ野球選手など他競技のアスリートが参加すれば、ゴルフに興味のない人も足を運んでくれるかもしれない。どれほどツアーの観客動員につながるかは分からない。しかし、トライしてみる価値はありそうだ。

 薗田は、大リーグのダルビッシュ有投手、元アルペンスキー五輪代表の皆川賢太郎氏ら他競技のアスリートと親交があり「いろんな話を聞いて刺激を受けている」という。

 昨年2月のニュージーランド・オープンの際、アマチュアで出場していた元プロ野球選手の桑田真澄氏から野球界の実情を聞いた。「野球も10年後は大変だと聞いた。盛り上がっている業界も意外と厳しいと思った」。だからこそコラボが必要だと感じている。

 「盛り上がっているスポーツの力を借りて盛り上がるみたいな感じで。野球に限らず、サッカーでもいいし、冬のスポーツでもいい。手を取り合ってどうにかやれれば」。薗田はそう語気を強めた。

 突飛な発想かもしれないが、異競技コラボがどんな化学変化を引き起こすのか見てみたい気もする。若い世代が引っ張る選手会の新たな試みに期待したい。(専門委員)

 ◆福永 稔彦(ふくなが・としひこ)1965年10月8日、宮崎県生まれ。89年入社。サッカーのW杯を3回、ゴルフのマスターズを3回取材。

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2018年2月19日のニュース