葛西、団体戦ピンチ 得意ラージヒル2回目進めず「チクショー」

[ 2018年2月18日 05:30 ]

平昌冬季五輪 男子ジャンプ個人ラージヒル決勝 ( 2018年2月17日 )

男子ラージヒル1回目の飛躍を終え、厳しい表情の葛西
Photo By 共同

 史上最多8度目の冬は厳しい現実に直面した。男子ラージヒル決勝(ヒルサイズ=HS142メートル)に出場した葛西紀明(45=土屋ホーム)は1回目121メートルで2回目に進めず、33位となった。葛西が五輪で2回目に進めなかったのは、02年ソルトレークシティー大会以来4大会、16年ぶり。最終種目の19日団体戦のメンバー4人から漏れる可能性もあり、18日からの公式練習で懸命のアピールが必要となった。

 まさかの失速だった。レジェンド葛西は風にも恵まれず、125メートルのK点にも届かず、33位。この日はこれまでの強風から一転、穏やかな夜。風を味方につけることもできなかった。

 1回目を終えて引き揚げてくると「チクショー。良くなかった」と悔しさをあらわにした。33位となり、30人が進む2回目に進めないことが決まると「しようがない。風の当たり外れがあるのは分かっていた。当たらなければこういう結果になる。諦めはつく」と力なく笑った。

 気合の入り方は半端ではなかった。14年ソチ五輪直後に結婚した妻・怜奈さんと、2歳の愛娘・璃乃ちゃん、さらに姉・紀子さんがこの日、五輪会場で観戦。家族を五輪に呼ぶのが夢だった葛西にとって、メダルを獲る姿や頑張っているところを見せたいという思いが強かった。しかし、結果は16年ぶりの屈辱を味わった。

 これであす19日の団体戦の出場は黄信号となった。出場は5人中4人で舞台は今回と同じラージヒル。きょう18日の公式練習で、メンバーは決まる。「試合が続いているので、明日(18日)は休んで団体に出るというのが一番良かった。しかし、そうもいかない。明日(公式練習を)飛んで試合に出たい」と危機感を強めた。

 不出場となれば02年ソルトレークシティー五輪の団体戦以来の屈辱となる。何度も修羅場をくぐってきたレジェンドは、崖っ縁に追い込まれた。

続きを表示

2018年2月18日のニュース